音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2024年04月18日
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テーマ: 洋楽(3408)
バンド活動停止前、最後の盤


 1980年のロッド・プライスの脱退後、シングル曲「サード・タイム・ラッキー」が成功した後の彼らの道のりは決して順調ではなかった。バンドの新たな方向性を模索しようとするも結果につながらず、結局は1980年代半ばに実質的解散状態となってしまった(後に1990年代にロッド・プライスは一時的に復帰したが、再度脱退することになる)。

 そのようなわけで、1970年代初頭から続いてきたフォガットが1980年代半ばに実質的な解散となる前に出された最後の作品が、この『ジグ・ザグ・ウォーク(Zig Zag Walk)』というアルバムである。奇しくもジグザグに歩くというのが表題で、バンドが真っ直ぐな道を歩んだわけではなかったことを示唆するようでもある。

 全体を一言で表せば、“時代への迎合”であろう。ブギーを身上とするロックのスタイルを確立した彼らであるが、時代の流れに合わせてニューウェーヴを消化した80年代サウンド的なものを志向している。軽快に演じようとしながら、随所で軽快になり切れず、ブギーの片鱗を残している。さらに、オールド・ロックンロール・サウンド的なノリが目立つのも本盤の特徴と言えそうである。

 本盤を聴いて、多くの人にとっておそらく印象が強いであろうナンバーの一つが、1.「ザッツ・ホワット・ラブ・キャン・ドゥ」。バンドとして何とか時代に食らいついてヒットさせよう(実際にはヒットしなかったが)という意図が見られ、これがストレートなブギーを展開したフォガットなのか、と思うリスナーも多くいることだろう。表題曲の2.「ジグ・ザグ・ウォーク」も同様で、その当時風の“現代的”な曲調を狙っているように見える。

 その一方、50年代的ロックンロール調のナンバーも目に付き、特にLPでのB面(6.以降)にそれが顕著である。3.「チュー・チュー・チブギ」(1946年、ティンパニ・ファイブのヒット・ナンバー)、6.「イトゥル・ビー・ミー」(1957年、ジェリー・リー・ルイスのヒットのB面曲)、8.「ダウン・ザ・ロード・ア・ピース」(1940年代、ウィル・ブラッドリー・トリオの演奏で知られるナンバー)といったところが注目で、こうしたナンバーの演奏はかなり成功しているのではないかと筆者的には思う。

 いずれにしても、“ブギー”というキーワードで連想されるフォガットの面影はごくわずかで、コアなファンしか聴こうと思わない盤かもしれない。とはいえ、フォガットの看板を無視して、フラットな気持ち(?)で聴くと、特にアルバム後半は意外と楽しめる内容だったりするのかもしれない。


[収録曲]

1. That's What Love Can Do

3. Choo Choo Ch'Boogie
4. Jenny Don't Mind
5. Three Wheel Cadillac
6. It'll Be Me
7. Silent Treatment
8. Down the Road a Piece
9. Seven Day Weekend
10. Linda Lou

1983年リリース。





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Foghat フォガット / Zig-zag Walk 【CD】





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Last updated  2024年04月18日 21時39分28秒
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