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2016年01月10日
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テーマ: 本日の1冊(3707)
カテゴリ: 読書
 フリーライターの永江朗氏は、鎌田慧著「戦争はさせない」(岩波書店刊)の書評を12月20日の東京新聞に次のように書いている;




 本書には書き下ろし評論「安倍政権の危険すぎる手口」ほか、雑誌などに発表された文章が収められている。全篇、行間から、激しい怒りが伝わってくる。東日本大震災と民主党政権瓦解(がかい)後、急速に右旋回するこの国の政財官に対する怒り。そして、「いのち」が粗末にされていくことへの危機感。本紙連載コラム「本音のコラム」等をまとめた『悪政と闘う』とも通じる。

 だが、著者は怒るだけではない。冷静に情況(じょうきょう)を観察し、したたかに明日を見すえる。たとえば8月30日の国会前集会を、新聞各社がどのように伝えたかの比較。どれだけの人が抗議のために集まったのか、ひとつの事実を伝えるのにこんなにも違いがあるとは。驚き、呆(あき)れる。 右旋回は官邸が突出し、財と官がそれを支えるが、マスメディアもまた、多くは取り込まれ、官邸の広報装置と化している のだ。

 憲法は揉欄(じゅうりん)され、原発は一基、また一基と再稼働する。では著者たちは敗北し続けるのか。そうではない。著者たちもまた、進化を続けるからだ。たとえば次のような一文。「わたしはこの四年間、脱原発集会とデモに参加して、全国を歩いてきた。わたしたちは、原発反対を(さようなら原発)と組み替え、デモをパレードといい換え、戦争反対を(戦争させない)と口語に翻訳した。 硬直した慣用句と集会・デモの形式は、ひとびとの心を捉えない、とようやく気づいた からである」

 気づき、反省し、改める者は、次に勝利する。 政財官の右旋回によって、わたしは、わたしがわたしであることを立脚点に、、ものごとを考え、行動するようになった のだ。著者をオールド左翼などと嗤(わら)う者は、現実によって手ひどいしっぺ返しを食うだろう。
(評者永江朗=フリーライター)

鎌田慧著「戦争はさせない」(岩波書店・1944円)

かまた・さとし 1938年生まれ。ルポライター。著書『原発列島を行く』など。


2015年12月20日 東京新聞朝刊 9ページ「読む人-激しい怒りと静かな思考」から引用

 私たちの社会が右旋回の現象を起こしてる中で、突出しているのが官邸であるというのは、間違いないと思います。元々、私たちの社会には右翼に引きずられて戦争に突入したことがあるという「反省」から、安倍首相が体現しているような右翼的言動に抑制的でしたが、バブルが崩壊した後の格差拡大やデフレで社会に対する欲求不満のはけ口を、安倍首相の右翼的言辞または「左翼攻撃」に求めており、これは傍若無人な暴言を繰り返すたびに支持率を上昇させるアメリカの「トランプ」現象と相通ずるものがあると思います。また、現状に不満があるからといっても、それが戦後の左翼運動によってもたらされたわけではありませんから、安倍首相らのサヨク攻撃で溜飲が下がる気分になるというのは、何か勘違いではないかと思います。政財官の右旋回によって、これはまずいんじゃないかと気がつく若者が増えていくことに期待したいと思います。







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最終更新日  2016年01月10日 16時46分00秒


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