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たとえば、改装オープンしたラーメン店に「リニューアル! 麺とスープが入つているラーメン!」というキャッチコピーが貼り出されていたら、この店は、一体これまでどんなラーメンを出していたのだろうと心配になる。「国民のために働く内閣」と打ち出した、その一つ前の内閣って一体どういう内閣だったのだろうか。まさか、国民のために働かない内閣だったのか。
前内閣の中心人物だった人が「継承する」と言いながら始動した新しい内閣だが、前の内閣が抱えていた問題を新たに検証することはなく、「継承する」にかぶせるように「前例打破」を連呼している。長期政権の安定感を頂戴しつつ、中身については検証しないという、ずる賢い判断を強引に推し進めようとしている。
「国民のために働く内閣」を標榜(ひょうぼう)するならば、利権ファーストと化している東京五輪の見直しくらい打ち出してほしいものだが、そういう判断は一切見当たらない。それこそ、日本学術会議の任命拒否問題が顕著。拒否をした理由さえも明かさない様子からは、国民のために働くつもりはないことが明らかである。
なぜ6名を任命しなかったのか。これを繰り返し問わなければならないのに(これだけを問えばいい)、そもそも学術会議ってどうなの、問題があるんじゃないの、という議論に移行させたがる。マンションへの入居を拒否された理由を問うているのに、そもそもこの家賃は適正だろうか、みたいな話になっている。話が違う。別の要素を持ち込み、そっちの要素にズラしていく技はまさしく前政権からの「継承」である。
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菅首相は、学術会議側が提出した105人の推薦リストを「見ていない」と発言したが、後日、加藤勝信官房長官がその発言について、「詳しくは見ていなかったことを指している」とした。いつもにも増して強引な言い訳である。
言い訳の限界を何度も超えてくるのが前政権だったが、新しい政権もなかなか強烈だ。私が「あの映画、見ていないんだよね」と言つたことに対して、誰かが「武田が『見ていない』って言ってたのは、詳しくは見ていないってことで、一応、見てはいるらしいよ」とフォローしてくれたとする。意味不明だ。でも、そうやって意味不明のことを、あたかも正しいアプローチのように見せてくる。
日本学術会議法には「推薦に基づいて内閣総理大臣が任命する」とある。誰かが6名を削除したのならば、総理大臣の任命権や学術会議の選考権の侵害をしていることになる。
詰んでいる。詰んでいるのに逃げるのは、「国民のために働く内閣」ではない。
(たけだ・さてつ ライター)(毎月―回掲載)
※引用者注 ここに貼り付けた写真は引用した記事に付属したものではなく、引用者がツイッターの画面でコピーしたものです。
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