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先日も、同委員会の勧告を含む公式文書を外務省が2年以上放置したことが明らかになったばかり。 ジェンダー平等が進まない要因として、国際常識とのズレを指摘する声もある。
(砂本紅年)
「これまでの議論は何だったのか。勧告は非常に重い。行政ならば、すぐに何らかの取り組みをするのが基本なのに、国会議員の意識とのギャップを感じる」
内閣府の男女共同参画会議で、 第5次男女共同参画基本計画案 の策定に携わった三重県鈴鹿市長の末松則子さん(50)は、無念さをにじませる。
計画案は、末松さんをはじめ女性起業家、各分野の研究者ら計18人の委員が約2年間議論を重ね、昨年11月に答申。選択的夫婦別姓制度も、国連の委員会からの勧告を踏まえ、「さらなる検討を進める」と前向きな言葉を盛り込んだ。
しかし、閣議決定前に自民党内の議論が紛糾、反対派への配慮から制度の文言は削除された。 「国際基準のジェンダー平等を目指しても、いつも与党の壁に阻まれる」 と末松さん。「第6次計画ならいいのか、第7次からか。いつまでも前に進まない」と話す。
日本は国連の女性差別撤廃条約に基づき、男女共同参画社会基本法などを制定。基本計画は基本法に基づいて5年ごとに策定しているが、文京学院大名誉教授の山下泰子さん(82)=国際人権法=は「本来核となるべき条約の影が薄い」と問題視する。
国連の女性差別撤廃委員会からは日本の夫婦同姓制度について03年、09年、民法改正を勧告された。しかし15年、最高裁判所は夫婦同姓を定めた民法750条を合憲と判断。翌年には 3回目の勧告を受けたが、政府や国会の対応は鈍い。 各国の男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」も日本は世界百121位まで順位を落としている。
「 司法においても条約が全く機能していない。 法学上の通説では、条約は法律より上位規範だが、日本では守らなくてもいい約束になっている」と山下さん。これまで条約違反を訴えた約60件の女性差別をめぐる裁判で、裁判所は「同条約は直接国内に適用されない」などとして条約違反かどうかについての判断を回避し続けているという。
現状を変えようと、山下さんらが政府に求めているのが条約の選択議定書の批准。最高裁で敗訴した場合でも、条約違反を委員会に直接通報、救済を求められる個人通報制度があるためだ。
「条約の実効性を高めなければ、日本の女性の権利はいつまでも国際基準になりません」
<女性差別撤廃条約> 1979年、国連総会で採択され、日本は85年に批准。男女の固定化された役割分担の変革を中心に、その国の慣習・慣行を含め、教育や雇用、家族関係など各分野の女性差別撤廃、男女平等推進を求めている。
条約の締約国は4年ごとに、自国の取り組みを国連に報告。女性差別撤廃委員会は取り組みが不十分な点があれば勧告する。締約国は189力国。条約に基づく権利への侵害があれば委員会へ直接通報できる「選択議定書」を批准しているのは114力国。日本は批准していない。
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