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2021年04月17日
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テーマ: ニュース(96858)
カテゴリ: ニュース
川崎市内で外国にルーツのある人たちを不当に非難攻撃する活動を繰り返しているヘイト団体は、川崎市が制定したヘイト禁止条例が日本人を罰するのみで、外国人が日本人に対してヘイトスピーチをしても処罰の対象にならないのは片手落ちで、これは日本人に対する差別だと、毎回ことあるごとに拡声器で言いふらしているが、これは間違った言説であり、ヘイト団体のこういう言説を放置するとその主張を真に受けて「川崎市の条例は日本人差別だ」という間違った世論が形成されることにもなりかねないため、市当局はこの度、条例を正しく理解するためのパンフレットを発行したと、3日の神奈川新聞が報道している;



(石橋学、視点も)


 条例を巡っては、差別主義者の瀬戸弘幸氏やヘイト団体「日の丸街宣倶楽部」などが 「北朝鮮や韓国の悪口を言ったら日本人に罰金50万円」「日本人だけ処罰される日本人差別条例」といったデマ を広め続けている。同様の間違った認識に基づく筋違いな批判が後を絶たないこともあり、啓発の強化に踏み切った。

 「何人も差別的取り扱いをしてはならない」と明記する条例の趣旨や罰則の仕組みを解説。「対象が本邦外出身者に限定されているのは国の差別的言動解消法に基づく取り組みだから」「差別的言動の禁止は日本人に限らず誰でも対象(本邦外出身者が本邦外出身者に行うことも許されない)」と注釈を加え、「日本人差別」との解釈は条文上も運用の面からも成り立たないと理解できるようになっている。

 パンフレットにも掲載した一問一答では、外国人への差別的言動だけを禁止したことや「法の下の平等に反するのでは」という疑問に、 「日本人に対する差別的言動は立法の根拠となる社会的事実がないため、条例による規制は必要ない」

 「憲法14条は合理的理由に基づく異なる取り扱いを禁止していない。本邦外出身者とそれ以外では、地域社会からの排除という側面で置かれている状況が異なる。両者の異なる取り扱いは合理的理由がある」と説明。

 「北朝鮮や韓国の悪口を言ったら罰金刑になるのか」との問いには、「条例の対象は本邦外出身者に対する差別的言動で、地域社会からの排除を扇動するもの」「外国政府への批判や悪口を言ったことをもって処罰されることはない」と断言している。

 市人権・男女共同参画室は「条例が目指す差別のないまちづくりには条例の正しい理解が欠かせない。質問への回答は市の公式見解。ネットで公開したことで広く市民に浸透し、デマを耳にしたときに『それは間違いだ』と打ち消すものとして利用されることも期待している」と話している。


《 視 点 》
デマ無効化の「公式見解」

 条例の正しい理解を促す川崎市の発信は差別の芽を摘むものとして待ち望まれていたものだ。レイシストが拡散させる「悪口を言えば日本人に罰金」「日本人差別条例」というデマは単なるうそではなく差別をあおるヘイトデマだからだ。差別をなくすための条例が差別の道具として悪用される現状を黙って見過ごしていいわけがなかった。

 日本人が社会的多数者・強者である日本社会で日本人一般が差別されることはあり得ない。存在しない「日本人差別」を言い募る目的は、被害者を装うことでマイノリティーを日本人に不利益をもたらす敵に仕立て、攻撃や排斥を正当化することにある。条例施行後、川崎市内で差別主義者の活動が激化しているのも「条例批判」はもっともらしく聞こえる上、憎悪をあおるのに格好のネタだからだ。

 もっとも行政によって否定されてもレイシストはへイトデマの拡散をやめないだろう。実際、福田紀彦市長が「遺憾」と表明した後も瀬戸弘幸氏は街宣車を走らせ続けた。ブログでは「あえて間違えている」と居直り、やはり「悪口を言えば罰金」と記したビラを3万枚用意し、各戸にホスティングすると宣言している。

こうしたヘイト活動を条例で直接制限することはできない。ならば正しい情報で打ち消していくことだ。 デマを無効化させるのにこれ以上ない重みを持つ「公式見解」は差別主義者が活動する「かい」を失わせる。続ければ続けるほどその悪意は浮き彫りとなり、事実をねじ曲げてまで差別をする醜悪さがますます鮮明になってもいこう。

 レイシストに対抗する市民の抗議が公という確かな根拠を得て説得力を持ち、発信力を増すのは言うまでもない。ヘイトデマの否定は市議会が求めていたものでもあった。そうして条例を旗印に行政と市民、議会が手を携えながらヘイトスピーチの入り込む余地を埋めていくことで、差別者たちの居場所はなくなっていく。


2021年4月3日 神奈川新聞朝刊 23ページ 「レイシストを追う-『日本人差別』否定」から引用

 この記事のポイントは「日本人に対する差別的言動は立法の根拠となる社会的事実がないため、条例による規制は必要ない」という一文だと思います。外国人に対するヘイトスピーチが横行すると、外国人が利用する公的施設に脅迫状が送りつけられたり、行政が感染症予防のため市内の幼稚園にマスクを無償配布するときに外国人学校の系列の幼稚園は除外するというような「立法の根拠となる社会的事実」が存在します。しかし、例えば外国人が「日本人を川崎市からたたき出せ」などと喚いてみたところで、そんな馬鹿げた発言に脅威を感じる日本人はいないし、「コイツ、頭おかしいな」と思われてお仕舞いで、これはヘイトスピーチと呼べるものではなく「立法の根拠となる社会的事実」は存在しないということになるわけです。川崎市でヘイトスピーチ禁止条例案を審議する過程では、自民党議員から「処罰の対象が日本人だけというのは不公平ではないか」という議論が度々出されましたが、今回の市当局が制作したパンフレットはそういう一部の疑問を持つ議員にも参考になるものと思います。





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最終更新日  2021年04月17日 01時00分05秒


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