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2021年12月14日
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テーマ: ニュース(96863)
カテゴリ: ニュース
野党側が共闘体制で臨んだ総選挙を、自民党側はどう受け止めていたのか、11月28日の「しんぶん赤旗」は次のように報道している;



<田中倫夫記者>


 「急告」「情勢緊迫-一票一票の獲得に全力を!!」

 総選挙の公示(10月19日)直後の21日、1枚の文書が全国の自民党候補らに送られました。出したのは甘利明幹事長(当時)と遠藤利明選対委員長です。

 「本日、マスコミ各社が一斉に序盤情勢に関する報道をしています。総合しますと、全国各地で多くのわが党候補者が当落を争う極めて緊迫した状況」「多数の選挙区で与野党一騎打ちの構図にあり・・・憂慮に堪えません」

 野党が本格的な共闘で政権交代に挑んだ総選挙。与党の自民・公明両党は、小選挙区で多くの候補者が落ちるのではないか、 最悪の場合、日本共産党が協力する政権が生まれるかもしれない、という危機感 を持ちました。必死の野党共闘攻撃、なかでも日本共産党攻撃を展開し乗り切りを図りました。先の文書にはあけすけに書いています。

 「この選挙が『(自公の)自由民主主義政権』か『共産主義(が参加する)政権』かの体制選択選挙であることが有権者の目に鮮明となっています」

 コロナ対策の失敗、9年間の安倍・菅政治の数々の疑惑や政権私物化問題から有権者の目をそらしたい自民党。”体制選択選挙だ””外交・安保政策が違う立民と共産の選挙協力は野合だ”と幹事長だった甘利氏を先頭に各地で野党共闘攻撃、なかでも日本共産党攻撃を繰り広げました。

 同24日投開票の参院静岡選挙区補欠選挙で敗北した自民党。25日には、岸田文雄首相、麻生太郎副総裁、甘利幹事長(当時)らが選対会議を開き、選挙後半戦に向け、巻き返しの方針を決めました。

 「テコ入れを図る重点区を約30に絞ったほか、党幹部の遊説日程の確認などを」(「読売」10月26日付)しました。

 東北地方の元農協幹部は証言します。

 「総選挙の最後の週に状況は一変した。 自民党は全国的にものすごい『動員』をかけ、農協の組織を締め付けた。 野党の2、3倍は動いとった」

 岸田首相が応援に入った一つが、衆院茨城6区。「野党勢力」の一本化候補と自民候補が激しく争っていました。

◆5千円で動員

 岸田首相が応援にかけつけた、つくば市でおこなわれた自民党候補の街頭演説(同26日)。一般社団法人「茨城県トラック協会」と住所や役員が同一の任意団体・茨城県運輸政策研究会は、日当5000円を払い、会員を街頭演説に動員していました。

 県運輸政策研究会が選挙区内の石岡、土浦、常総3支部の支部長宛てに出した「業務連絡」。「自民党総裁岸田文雄氏 遊説への参加協力につきまして」との表題で、「参加者に対しまして、日当5000円/人をお支払いさせていただきます」と記されていました。

なりふり構わない野党共闘攻撃と日本共産党攻撃、さらに”カネ”が飛び交うほどの組織戦を展開した自民党。 総選挙で与党は、前回(2017年)から比例票を150万票増やしたものの、議席は19減らしました。

◆幹事長を打破

 「共闘勢力」は、一本化した207小選挙区のうち59選挙区で勝利。現職幹事長だった甘利氏(比例復活)など自民党大臣経験者などが選挙区で次々に落選しました。一本化した候補が自民党候補に1万票以内の差まで迫り、惜敗したのは32選挙区にのぼります。

◆自民衆院議員「どっちに転んでもおかしくない」

 「やっぱり立憲民主党と共産党のいわゆる統一候補というのは、大変な脅威でした」(「報道1930」、4日放映)と語ったのは、自民党衆院議員の平将明氏(東京4区、元内閣府副大臣)。「今までと緊張感が違う。最後競り勝ちましたけれど、どっちに転んでも不思議はなかった。ぎりぎりのところで(全国の)30選挙区でたまたまわれわれが勝てたということです」「1つの選挙区で選択肢が2つしかないというのはすごいやっぱり怖い」と”告白”します。

 自民党の世耕弘成参院幹事長も記者会見(2日)でこうのべました。

 「野党が候補者を多くの選挙区で絞ったことは一定の効果はあった」

 「野党共闘は失敗」というメディアも、冷静に選挙結果を分析すれば野党共闘に効果があったことは認めざるを得ません。

 「日経」3日付は「自民、目立つ薄氷の勝利」、「読売」4日付も「自民当選者 2割が辛勝」と報じました。

 「読売」24日付は「自民、辛勝選挙区分析へ」「参院選警戒」の見出しを掲げ、次のように書きました。「約2割の34選挙区は、2位候補との得票率の差が5ポイント未満の僅差だった」「辛勝の小選挙区を落としていれば、単独過半数(233)も割っていた可能性がある」

 自民党元閣僚はいいます。「なりふりかまわず、共産党バッシングと組織戦で選挙を乗り切っだので、決して安泰ではない。一つ間違えば政権から転がり落ちる恐れがあった」

 しかし野党共闘の脅威を自民党幹部は表立って口にしません。自民党本部関係者は本音を明かします。

 「そりゃそうでしょう。『野党共闘が効果あった』とか『恐ろしかった』とか公に言うと、野党が『それなら野党共闘をどんどんやろう』ということになりかねない。だからメディアが『野党共闘が効果なかった』『失敗した』とキャンペーンを張っていることに、私たちは感謝していますよ」


2021年11月28日 「しんぶん赤旗」 日曜版 4ページ「野党共闘に自民は恐怖心」から引用

 この記事からは自民党の並々ならぬ危機感が伝わるような気がします。農協の組織を締め付け、建設業界にはカネを払ってまで動員をかけるというなりふり構わない必至の取組みには「迫力」を感じます。それに比べると、野党側は共闘態勢で闘ったとは言え、全体としてお行儀のよい、決して後ろ指指されるようなことはしない「優等生」みたいな印象で、お上品なのは結構ですが、抜け目なく票をかっさらうというような「迫力」に欠けていたのが、自民党に勝てなかった原因なのではないでしょうか。立憲民主党も共産党も、地に足をつけた頼もしい政党になってほしいと思います。





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最終更新日  2021年12月14日 01時00分05秒


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