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2022年06月29日
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テーマ: ニュース(96533)
カテゴリ: ニュース
参議院選挙を翌月に控えて、私たちはどのような考えで選挙権の行使をするべきか、神戸女学院大学名誉教授で凱風館館長の内田樹氏は、12日の東京新聞に次のように書いている;




 私はどの候補者についても政治的意見の完全な一致を求めない。私の政治的意見とかなり違っていても構わない。 「私が個人的に暮らしやすい社会を作ってくれるかどうか」を基準にして私は選挙に臨むことにしている。 極端なことを言えば、権力者が「内田に発言機会を与えない」「著書を発禁にする」「投獄する」というような命令を下した時に体を張って反対してくれそうな人であれば誰でもよいのである。

 そもそも私にはどの政党の政策が「客観的に正しい」のかがわからない。外交や安全保障や経済について、私には政策の適否を判断できるほどの知識がない。知識経験豊かな専門家たちの意見が食い違うような論件について素人の私に判断がつくはずがない。

      ◇ ◆ ◇

 そういう場合には「正しい政策」の選択を諦める。代わりに「私にとって都合の良い政策」は何かを考える。「万人にとって正しい政策」や「科学的に正しい政策」を私は求めない。人間たちの営みは偶発的過ぎるし、世界の先行きは予見不能だからである。

 でも、歴史を振り返ると、どういう政策が国を亡(ほろ)ぼすことになるのかはだいたいわかる。 それは「わが国の本来の姿に戻る」ことをめざす政策である。 わが国が「こんなありさま」になっているのは外部から異物が混入してきて社会を汚染したせいである。だから、その異物を検出し、排除すれば社会は「原初の清浄と活力」を回復するであるうというタイプの言説である。

      ◇ ◆ ◇

このタイプの妄想を信じた人たちによってこれまでたくさんの人が殺され、多くの価値あるものが破壊された。 いまウクライナでロシアがしていることも、新疆(しんきょう)ウイグルや香港で中国がしていることも、この「あるべき国の姿」幻想に駆動されているのだと私は思う。だから、これがいずれ両国の「亡国」の遠因になると私は思う。今は中口どちらの国民も権力者に圧倒的な支持を与えているけれども、国民ひとりひとりが 「わが国はいかにあるべきか?」よりも「これがほんとうに私の暮らしたい社会なのか?」と自問する習慣があれば、今あるような国にはなっていないはずである。

 だから私は「わが国の本然の姿はどうあるべきなのか」を論じない。そんなことを論じてもろくなことにはならないからである。それよりは「これがほんとうに私の暮らしたい社会なのか?」を問うようにしている。私は基本的人権が尊重され、市民的自由が守られる社会で暮らしたい。それだけである。 国が貧しくてもいい、軍事的強国でなくてもいい。 金があり、力があり、隣国から畏怖されているが、権力者におもねる以外に国民に生きる手立てがないような国では暮らしたくない。だから、「私が暮らしやすい社会」にしてくれそうな人なら誰でも私は応援する。


2022年6月12日 東京新聞朝刊 11版 5ページ 「時代を読む-選挙では誰を応援するのか」から引用

この記事は論旨が明快で、実に分かりやすい。そう言えば、150年ほど前の日本は封建制の徳川幕藩体制が行き詰まって、社会のあちこちにほころびが出始めた頃、「国学」などというものがもてはやされて、「わが国は本来、神様が杖で泥沼をかき混ぜているうちに日本列島が出来た」とか「神様の子孫が、実は天皇なので、天皇が国を治めるべきだ」などという言説が幅を利かせて、その後に出来上がった「憲法」では、立法司法行政の三権のほか、軍隊の統帥権というものも「神聖にしておかすへからず」の「大権」であるなどという、ろくでもない法体系になって、終に1945年の8月に「滅亡」したという苦い経験を、我々は持っている。ところが、そういう「民族の体験」すら、不勉強でろくに分かっていない安倍晋三議員のような輩は「日本を取り戻す」だのと愚言を吐いたりする。こういう議員は有害無益だから、次の衆院選では「落選運動」をやるべきではないかと思います。





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最終更新日  2022年06月29日 07時51分54秒
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