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(川田篤志)
防衛費の増額は事実上、政府・与党の共通目標だ。 自民党は4月にまとめた提言で、米欧の軍事同盟・北大西洋条約機構(NATO)にならって対国内総生産(GDP)比2%以上を目指す方針を打ち出した。 岸田文雄首相は5月、バイデン米大統領との会談で「相当な増額」を表明し、政府が6月に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」ではNATOの動向にも触れながら、防衛力の抜本的な強化を明記した。日本の防衛費(当初予算)の対GDP比は2021年度で0・05%、22年度でO・96%と、NATO加盟国との差は大きい。もっとも、 日本が防衛費に防衛省予算だけを計上しているのに対し、NATOは軍事費以外も海上警備の経費などを含めている。
国防関連支出の定義が異なることから、政府が持ち出したのが、算入する予算の範囲を広げる『安全保障関連費』の考えだ。年末に予定する国家安保戦略など3文書改定に向け、先月30日に開いた有識者会議の初会合では、21年度の防衛省予算に2500億円強の海上保安庁予算や国連平和維持活動(PKO)関係費などを加えると、対GDP比が1・24%になるという試算を提示。NATOでは国防目的の研究・開発費が計上される場合があるとも説明した。
政府内には、軍事転用が視野に入る科学技術予算や、有事に自衛隊が利用できるよう補強する港湾、空港などの整備費まで安保関連費に含める案もある。公明党の北側一雄副代表は「国全体の安全保障に関わる予算を明確にしていくことが大事だ」と理解を示す。
ただ、政府や公明党の意向に、自民党では国防族を中心に反発が広がる。あらかじめ対GDP比2%を目指す「発射台」を高くすることで、財政への影響が大きい防衛省予算の増額を抑え込もうとする思惑が透けるからだ。今月4日の党会合では「水増しであってはいけない」「『真水』の予算を増やすべきだ」といった意見が相次いだ。
日本では1976年に防衛費を対国民総生産(GNP)比1%に収める方針が閣議決定され、86年に撤廃された後もその水準で推移してきた。 憲法9条に基づく抑制的な防衛政策を予算面でも担保していると、対外的に訴える効果があった。だが、政府は現在、むしろ数字を大きく見せようとしているのが実情だ。
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