フリーページ

2023年09月13日
XML
テーマ: ニュース(96858)
カテゴリ: ニュース
全国各地の自治体が運営する「平和記念館」のような施設で、日本軍の「加害行為」を示す展示が、スムーズに実施できていない現状について、8月16日の朝日新聞は次のように報道している;




 戦争や平和について学ぶ施設として、長野県飯田市が昨年5月に開設した平和祈念館。日章旗や特攻隊員の手紙など、市民から寄せられた太平洋戦争にまつわる約120点が展示されている。

 旧日本軍の「731部隊」の元隊員らの証言を含むパネル8枚も掲げられるはずだった。

 731部隊は正式名称「関東軍防疫給水部」。旧満州のハルビンに広大な施設を設け、細菌兵器の開発を目的に、「マルタ(丸太)」と呼ぶ捕虜に様々な人体実験を行った。細菌兵器を実戦で使う「細菌戦」にも関わった。

 こうした事実は、2002年に中国人遺族らが日本政府に賠償を求めた訴訟で、東京地裁が、元隊員や研究者らの証言をもとに判決で認定した。一方、政府は03年に「外務省、防衛庁等の文書において、細菌戦を行ったことを示す資料は現時点まで確認されていない」との答弁書を出した。

 終戦直前、施設は軍によって破壊され、文書も焼かれた。隊員は口外を禁じられたとされる。

     *

 「クロロホルムを注射し、生きている人間をパタッとやった」
 「300体もの生体解剖をした」。

 部隊での行為を本に書いたり、講演で話したりしていた元隊員らの証言を、名前や顔写真とともに展示する準備が進んでいた。

 見送った理由について、飯田市教育委員会は「 731部隊は研究途上で、社会的にも様々な意見が存在しており、慎重に検討する必要があると判断した。 遺族の同意が得られていない証言もある」と説明する。市民団体や教員からの「過激な内容にならないよう配慮してほしい」といった意見も踏まえたという。

 証言が展示されるはずだった清水英男さん(93)=長野県宮田村=は、少年隊員だった1945年7月、部隊の本部棟2階の標本室で、瓶の中でホルマリン漬けにされた人体を目にした。おなかの大きな女性は、胎児が見えるように腹が切られていた。

こうした体験を地元の講演会で語ると、ネットで「ジジイ、嘘ついてやがる」とたたかれた。 この書き込みを印刷し、ラミネート加工した。目にするたび怒りがわく。

 清水さんは「自分たちがやった事実を後世に伝えなければ、『平和祈念』なんてとても言えない」と訴える。

 清水さんらの批判を受け、市教委は今年2月以降、展示内容を検討する委員会を開いてきた。3月の会合で、裁判で認定された部隊の説明を引用する形で、パネルを展示することにした。元隊員の証言については、今も議論が続いている。

     *

 全国の歴史資料館や平和博物館を調査してきた東京大空襲・戦災資料センターの元学芸員、山辺昌彦さん(77)によると、戦後70年の2015年に戦争企画展を行った公共施設は約260カ所あった。1995年の約130カ所から倍増したが、加害の歴史については、開設当初から展示しなかったり、リニューアル時に展示をやめたりする施設が増えていると感じている。「外部からの抗議を恐れ、自治体が自主規制しているのではないか」と話す。

 朝日新聞が2015年に国立や都道府県立の施設にアンケートしたところ、満州事変(1931年)以降の戦争資料を展示する85施設のうち、旧日本軍の加害行為を常設展示しているのは約3割(26施設)だった。

 神奈川県の施設「かながわ県民センター」(横浜市)では 16年から毎年、地元の市民団体が731部隊や南京大虐殺などを伝える写真を展示する「戦争の加害パネル展」を開催している。そのたびに「日本をたたくのか」と一部から抗議を受ける。

 抗議した団体代表の高橋忠邦さん(79)は取材に 「加害の事実だけを誇張しすぎるのは日本のためにならない。子どもや孫に小さくなって生きてほしくない」 と語った。

 パネル展の発起人で元小学校教員の竹岡健治さん(76)は言う。

 「加害の歴史にきちんと向き合うことで、初めて私たちは侵略した国の人たちと理解しあうことができる。戦争体験者が減るなか、展示がなければ忘れ去られてしまう」

 この夏も、いつも通りパネル展を開く予定だ。
(三井新、後藤遼太)


2023年8月16日 朝日新聞朝刊 13版S 25ページ 「残響78年後の『戦争』5 加害の証言、見せぬ公共施設」から引用

 私たち日本人は、自分たちの先祖がその昔、何をしでかしたのか、正確に認識するべきだと思います。人間は、自分が被害者であれば、どのような被害を受けたのか、躊躇することなく説明できますが、自分が加害者やその親戚だったり子孫だったりすると、必要以上に罪の意識に捕らわれて、その重圧に耐えきれないと見るや、開き直って「そんな事があったなんて、ウソだ」と言い出すのだと思います。その延長線上に「子どもや孫に小さくなって生きてほしくない」などという、余分な「言い逃れ」が出てくるわけです。しかし、被害を受けた側は「昔、こんなことがあった」と孫子の代まで語り継いでいくのですから、同じ情報量を祖先が加害側であった人々ももっていないと、国際社会における信頼関係を構築する上で、大きな障害になり得ます。これからの若い世代は、自分たちの祖先の加害行為を知ったからと言って、「だから自分たちは国際社会で小さくなって生きるしかない」などと考えるわけがありません。過去の事実は、加害側も被害側も客観的に「史実」として認識した上で、自分たちはそのような「過ち」は二度としないと、堂々と主張して自信を持って生きていく、そういう人たちであってほしいと思います。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023年09月13日 01時00分09秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

佐原

佐原

コメント新着

捨てハン @ 潰れそうな新聞なら東京、朝日、毎日が挙がるかなぁ >全国紙は世論のありかを明らかにし、国…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: