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全国で初めてヘイトスピーチに刑事罰を設けた「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の制定から5年を前に、市民団体「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」は7日、川崎市川崎区の市労連会館で記念学習会を開いた。街頭で「死ね」「殺せ」などと叫ぶ悪質な差別扇動行為は鳴りをひそめているものの、市外に目を転じれば、埼玉県川口市や蕨市で在日クルド人へのヘイト被害が深刻化している。参加者らは「川崎の取り組みを全国へ」との思いを共有した。
(佐藤圭)
学習会には約70人が参加。ネットワーク代表の山田貴夫さん(75)が「市の頑張りで条例の効果は上がっているが、川崎でヘイトを繰り返した人物が埼玉まで出かけていき、排外主義に火を付けている。川崎の条例を全国に広げていくような働きかけが必要だ」と強調。市在住の在日コリアン崔江以子さん(51)も「条例によって日々の安寧が守られている。川崎の希望が埼玉に届くようにしたい」と訴えた。
埼玉県在住クルド人の取材を続けているジャーナリストの安田浩一さん(61)が講演。クルド人は日本に2千~3千人ほどいるとされ、多くが川口市周辺に暮らす。川口では従来、在日中国人がヘイト行為の対象だった。安田さんは「クルド人へのヘイト行為は昨年5月まで全くなかったが、(差別主義者らが)メディアの報道で『難民としてのクルド人』を発見した。 この国では、女性でも障害者でも外国人労働者でも、弱い立場の人が自分の権利を主張したとたん、バッシングの標的にされる 」と指摘した。
学習会ではこのほか、埼玉県でヘイト禁止条例の制定を求めている市民団体の関係者らが、クルド人ヘイトの現状を報告。最後にネットワークのメンバーが、罰則付きの包括的な人種差別禁止法の制定を国に求めるアピール文を読み上げた。
◆ヘイト投稿削除391件
「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」は2019年12月12日の市議会で可決、成立し、翌20年7月1日に全面施行された。 16年にヘイト解消法が施行されたものの、罰則規定がなく、一部でヘイト行為が横行。実効性のある条例の制定を切望する市民らの取り組みが実を結んだ。
条例では、外国にルーツがある市民らを標的にしたヘイトスピーチを禁じた。道路や広場など公共の場所で拡声器やプラカードなどを使った差別的言動には、最高で50万円の罰金を科す。ネット上の言動は刑事罰の対象から外されたが、差別的言動と認めた場合は概要を公表し、運営会社に削除を要請する。
市は20~23年度、ヘイトスピーチの恐れのある街宣活動など29件について現地で監視したが、条例に抵触するような言動は確認できなかったとしている。ネットについては今月6日までに、X(旧ツイッター)などへの投稿480件について削除を要請し、うち391件が削除された。
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