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女性初の首相となった高市早苗総裁の下、連立相手を公明党から日本維新の会に切り替えて再出発したものの、結党時から掲げる「国民政党」として、多様化した価値観を調整し、社会の分断を防ぐ役割を果たせるかが厳しく問われる。
自民は米ソ冷戦下の1955年、自由党と日本民主党が合併して誕生した。左右に分裂していた社会党の再統一に対抗するための「保守合同」だった。特定の階級、階層に立脚するのではなく、国民全般の利益と幸福に奉仕する「国民政党」と自らを位置付けたのもそのためだ。
その看板は今も変わらない。石破茂総裁時に取りまとめられた参院選総括の報告書は、「国民政党としての再生に向けて」と題され、「国民を分断する各種格差の解消」に全力を尽くすと誓った。
だが、高市政権の現状を見る限り、その理念が空洞化しないか、危惧を抱かざるを得ない。 憲法改正やスパイ防止法の制定、外国人への規制強化、選択的夫婦別姓ではなく旧姓の通称使用の法制化など、打ち出される一連の政策は、岸田・石破両政権下で離れた一部保守層の支持を取り戻すことを優先しているようにしか見えない。
連立のパートナーが、「中道」の公明から、急進的な「改革」を掲げる維新に代わったことで歯止めがなくなり、丁寧な合意形成がなおざりにされる懸念もある。
ガソリンの旧暫定税率の廃止や、国内総生産(GDP)比2%を目標にした防衛力整備の前倒しでは、恒久財源の手当てが後回しになっている。自民は「責任政党」も標榜(ひょうぼう)するが、これで責任を果たしたことになるだろうか。
国政選挙の連敗には、派閥の裏金問題で国民の信頼を失ったことが大きく影響した。93年に非自民8党派による細川護熙連立政権の誕生で自民が初めて野党に転落した時も、リクルート事件や東京佐川急便事件といった自民の政治腐敗が背景にあった。
首相は裏金問題の実態解明には取り組まず、関係した議員を党や官邸の幹部に登用した。企業・団体献金見直しの結論も先送りした。 「政治とカネ」をめぐる問題を放置したまま、党への不信を拭い去ることができると考えるなら、楽観的に過ぎるというほかない。
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