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「だって入れとかないと、総理に怒られるじゃないですか」
「たしかに」
こんな会話が内閣府で交わされたかどうかは知らないが、というわけで男女共同参画答申案に突然加えられた「旧姓の通称使用の法制化」。首相に忖度したのはよかったが、おかげで有識者会議のメンバーだった連合の芳野友子会長に叱責されるハメになった。
一方、こちら辻元清美議員の質問主意書を受け取った内閣官房。
「どうしますか、これ。例の存立危機事態の件ですが」
「正直にいうしかないっしょ」
「でも総理のアドリブだったとバラして大丈夫ですかね」
「大丈夫も何も、用意した紙を無視したのは総理なんだから」
「たしかに」
という会話があったかどうかは知らないが、かくして開示された、首相の答弁とは異なる内容の答弁資料。あの答弁は私たちのせいではないですよという事務方のアピール、それとも弁明?
いずれにしても官僚諸氏の心の声が聞こえるようだ。めんどくさっ。
つまるところ、高市首相にはそれまで積み上げてきた議論をぶち壊すイレギュラーな発言が多すぎるのだ。石破前首相は独自カラーを出せずに退陣したが、高市首相はカラーを出しすぎ。まるで暴走トラックだ。迷惑するのは国民である。大事故になる前に誰か停止させて。
(文芸評論家)
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