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まず立法事実がない。 日の丸を損壊する行為によって誰かの権利や利益が害されている事実が存在しない。刑罰を新設する理由がないのだ。
罪刑法定主義にも反する。「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」で損壊すると罪になるというが、この要件は極めてあいまいだ。恣意的な取り締まりが行われる危険が大きい。
そして刑罰で保護すべき法益がない。 「国旗を大切に思う国民の感情」などというものは保護法益にならない。不快感や嫌悪感などという「感情」を根拠に人を罰してよいはずがない。 そんなことが許されるなら「お米を大切に思う国民の感情」を守るために残飯を捨てる行為を罰する法律も作ってよいことになる。
「国旗を大切に思う感情」を全ての国民が共有しているわけではない。 日の丸を過去の日本の軍国主義や侵略戦争の象徴だと思う人もいるだろう。 日中戦争時に作られた「日の丸行進曲」には、「日の丸を敵の城頭高々と一番乗りにうち立てた手柄はためく勝ちいくさ」という、南京占領を賛美した歌詞もある。
国旗損壊罪の新設は、思想・良心の自由を保障する憲法19条や表現の自由を保障する憲法21条に反する違憲立法だと言わざるを得ない。
(現代教育行政研究会代表)
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