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だが当時皇太子で、1900年に結婚した大正天皇が一夫一婦制を実践したことで「家族の伝統が壊れる」「側室がいなければ皇統が絶える」といった保守派の反対論は粉砕された(側室制度が正式に廃止されたのは戦後の皇室典範)。
今日の皇位継承問題における男系男子絶対論も「伝統に固執する」「近代化を拒む」という点で似たところがある。女性天皐や女系天皇を容認する世論が7割を占め、新聞各紙も同様の論陣を張る中、男系男子にこだわる謎。まして10日に提出された「立法府の総意」のひとつ「旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える」という案は奇態というほかない。
この「総意」は皇族数を確保するのが目的で、皇位継承問題は先送りされた形だが、男系男子派は皇室を消滅させたいのだろうか。強硬な天皇制反対論者でなくても、人権が制限され、女性差別が制度化された現在の皇室に疑問を持つ人は少なくないだろうし、無茶な養子案に頼るくらいなら自然消滅に任せたらという意見もありえる。
時代の要請に反した制度はいつか滅びる。それでもよければべつにいいけど。
(文芸評論家)
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