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原発はウランの核分裂で生じるエネルギーで発電しています。「核のゴミ」とは、使用済み核燃料や使用済み核燃料からプルトニウム等を取り出した残り物(放射性セシウムなどの核分裂生成物)のことです。人が近寄れないほど強い放射能をもつだけでなく、放射能の強さがなかなか弱くならない成分もあります。そのため、処分に際しては万年単位で人間の生活圏から隔離する必要があります。
日本を含め原発を持つ主要国では、地下深く(数百メートル程度)に埋設処分することにしていますが、どこでも立地選定が難航し、処分場が建設されたのはフィンランドだけです(試験操業中)。特に日本は、欧米のような地質的に安定な大陸と異なり、太平洋・フィリピン海・ユーラシア・北米の四つのプレートがぶつかり合う地殻変動の激しいととろです。地球科学の研究者らは「今後10万年間にわたる・・・安定した場所を具体的に選定することは、現状では不可能」と指摘しています。(2023年10月に300人余の地球科学研究者らが発表した声明)
南鳥島は、太平洋プレート上にあり地質的には安定した場所にありますが、地下千メートルほどまでサンゴ礁由来の石灰岩です。石灰岩は雨水などによる溶解で空洞(例=鍾乳洞)ができやすく、「核のゴミ」の金属容器が腐食して放射性物質が溶け出し、周辺海域を汚染する恐れがあります。とても適地とは言えません。
国内には2万トン余りの使用済み核燃料があり、多くは各原発の使用済み核燃料プールに、一部は日本原燃が建設中の再処理工場(青森県六ヶ所村)に貯蔵されています。再処理工場の使用済み核燃料受け入れ施設はすでに満杯です。各原発の使用済み核燃料プールも貯蔵率78%と限界に近づきつつあり、あと数年で満杯となり運転ができなくなる原発もあります。
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このほか、約7100トンが英仏の再処理工場で処理され、返還されたガラス固化体(高レベル放射性廃液とガラス原料の混合物)1830本が日本原燃の「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」(六ヶ所村)に貯蔵されています。
既にある「核のゴミ」をどうするかは、社会的合意をつくることが大切です。日本学術会議は、原発政策についての国民的合意がないまま処分について合意形成を進めるのは手順が逆だと指摘しています。(内閣府原子力委員会の審議依頼に対する回答。12年)
まずは、原発をやめて処分困難な「核のゴミ」を増やさないことが求められます。その後も残る「核のゴミ」処分については、専門家の英知を結集して研究・開発を進めつつ、真摯(しんし)な国民的な議論が必要です。その結論が出るまでは、政府の責任で厳重に管理すべきです。
<すずき・つよし>
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