
習氏にクーデター危機 胡錦濤政権での軍トップ・郭伯雄氏“粛清”の身柄拘束
共産党筋によれば、北京市内で軟禁状態にあった郭氏は今月9日,「反腐敗運動」を取り仕切る党中央規律検査委員会によって実質の身柄拘束となる「双規」を 通告された。郭氏には、制服組トップの軍事委副主席に在任中、部下から多額の賄賂を受け取った疑いがあるといい、中国当局が汚職の疑いで取り調べを始めて いるとみられる。
郭氏をめぐっては、先月2日に中国国防省が、郭氏の息子、郭正鋼・浙江省軍区副政治委員(少将)を収賄容疑で立件するなど、周辺に捜査の手が伸びていた。同じ時期に軍事委副主席を務め、今年3月に死亡した徐才厚氏も昨年6月に収賄容疑で党籍を剥奪され、失脚している。
拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏は、「郭氏の失脚によって、習政権に対抗しうる有力な勢力は事実上なくなった。2月末に軍部の会計監査の徹底調査を 始めた。昨年末には7大軍区の訓練の査察もスタートさせ、綱紀粛正にも乗り出している。今後さらに軍部への圧力を強めていくことになるだろう」と指摘する。
習政権は、軍高官の汚職の取り締まりのみならず、「ぜいたく禁止令」を発令するなどして、下士官への締め付けも厳しくしている。強権をふるう習政権に対して、軍部の不満は高まっており、軍事クーデターの芽が育ちつつある。
加えて習政権にとって脅威となりそうなのが、「反腐敗運動」の主要ターゲットに据えられている「上海閥」の残党からの反撃だ。
「月刊中国」の発行人である鳴霞(めいか)氏は、「郭伯雄氏も徐才厚氏も、江沢民元国家主席と近い『上海閥』のメンバーとされる。彼らの息がかかった者が軍内にはまだたくさん残っており、生き残りのために蜂起する可能性は十分ある」と指摘する。中国国内のみならず、国外にも不穏な動きが出ているという。
「米国で、元北京軍区対外作戦秘書長を指導者とした、習政権の打倒を目指す人民解放軍の退役軍人連盟が組織された。彼らは、中国の民主化を求めて海外に散 らばった退役軍人のほか、中国国内の現役軍人ともつながっていて、軍事蜂起を呼びかけている。彼らが、『上海閥』の残党と結託し、大規模な軍事クーデター を仕掛ける事態もあり得る」(鳴霞氏)
習政権が進める軍の覇権奪取が、新たな波乱の幕開けとなるのか。
3カ月で9636人摘発 中国、22億円の汚職も
中国最高人民検察院(最高検)反汚職賄賂総局の徐進輝局長は27日、今年1~3月に立件した汚職事件が7556件、9636人だったと発表した。うち閣僚・省長級の高級官僚は12人だった。
徐氏は巨額汚職として、雲南省第1人民病院の元院長が2005~14年に現金約3500万元と約8千万元相当の不動産、計約1億1500万元(約22億円)の賄賂を受け取っていた事案を紹介した。
最高検によると、昨年1年間に立件した汚職官僚は5万5101人。(共同 2015.04,27)
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