2018/01/10
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北の対話路線換と中国の狙い――米中代理心理戦争(前節)
= NewsWeek_Column_2017年01月04日 遠藤誉 東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。


金正恩氏が南北連絡チャンネル再会を指示
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、1月1日の「新年の辞」で、「核のボタンは私の机の上に常にある」としながらも、2月9日に韓国の平昌で開催される冬季五輪への参加や韓国との対話再開に言及した。

1月3日には朝鮮中央電視台(中央テレビ局)に朝鮮の祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長が出演して、「3日午後から板門店の朝韓(北朝鮮と韓国)連絡チャンネルを再開通するよう、(金正恩委員長からの)指示があった。(北)朝鮮が平昌冬季五輪に参加することに関して話し合いを始める」と述べた。中国の中央テレビ局、CCTVが速報で報じた。

それによれば、李善権は、「(北)朝鮮側は、韓国側と平昌冬季五輪に関して話し合うため密接に交流を行なう。金正恩委員長は韓国の文在寅大統領が1日前(2日に)すぐさま呼応するように決定したことを高く評価した」と述べているとのこと。

実際、3日の午後3時半に板門店の軍事境界線にある電話で南北朝鮮は会話をしている。韓国側は2日、(1月)9日に板門店の韓国側施設で南北ハイレベル当局者が会談を行うことを提案したが、それに先立って北が積極的に動いた形だ。

おまけに注目すべきは、文在寅を初めて「大統領」という敬称で読んだことである。



CCTV特集番組に透けて見える中国の狙い――「米中代理心理戦争」
CCTVでは長い時間を割いて特集番組を組み、これぞまさに中国が長年にわたって唱えてきた「双暫停(そうざんてい)」が実現されつつあると胸を張っている。これまで何度も書いてきたが、「双暫停」とは「北朝鮮とアメリカ双方が暫定的に軍事行動を停止し、対話のテーブルに着く」という意味だ。

中国としては、本来なら、アメリカに以下の二つのことを突き付けたい。
1.米韓合同軍事演習を中止せよ。
2.THAAD(サード、終末高高度防衛ミサイル)の韓国配備をやめよ。

しかしトランプ大統領と蜜月関係を保っていたい習近平国家主席としては、トランプと衝突するようなことはしたくない。したがって直接アメリカに対して要求を突き付けることができない。

そこで習近平政権は韓国と北朝鮮を使って、上記2項目を阻止することを試み始めた。言うならば、南北朝鮮に「米中代理心理戦争」をさせようという魂胆だ。それを実現させるために、まず韓国に対しては、昨年10月末に中韓合意文書を交わしてTHAADの韓国配備に関して善処すれば経済報復を解除する旨の約束をして文在寅大統領を動かしている。

そして北朝鮮に対しては、昨年11月17日、中国共産党対外聯絡部の宋濤部長が習近平の特使として北朝鮮に派遣された。金正恩には会えなかったが、中朝はその後も水面下での交渉を続けたはずだ。第19回党大会以降の対外聯絡部の活動(と暗躍)には、目を見張るものがある。

中国がアメリカに突き付けたい上記2つの項目は、いずれも北朝鮮のアメリカに対する要求と一致している。

習近平は昨年12月31日に「新年の挨拶」を発表したが、その中で「中国は国際秩序の擁護者である」と言っている。これはトランプ大統領が「国際秩序の破壊者である」という含意を込めており、アメリカに代わって中国こそが国際社会をリードしていく国家だということを習近平は言いたかったものと解釈することができる。

その「国際秩序」の中には、当然のことながら北朝鮮問題が入っている。ならば、上記2項目を達成するには、中国にいま何ができるのか。



その選択肢の一つとして、韓国で開催される平昌冬季五輪に北朝鮮を参加させて、米韓合同軍事演習が出来ないようにさせることが考えられる。これは中国にも北朝鮮にも、そして韓国にも都合のいい共通の利益となり得る。三者が共鳴できる共通項だ。

中国は「圧力と制裁」を叫ぶ日米を、ロシアとともに非常に警戒し、嫌ってきた。なぜなら日米韓の安全保障協力は、北朝鮮包囲網であると同時に、対中包囲網にも発展し得るからである。

だから先ず韓国を抱き込んで日米に反対させて日米韓協力を日米韓軍事同盟に持っていかないように誘導した。それには慰安婦問題などで韓国に反日姿勢を取らせ、THAADの韓国再配備を行なわない、あるいはすでに配備されているTHAADを中国に不利な方向に持っていかないことを韓国に約束させた。これが昨年10月31日に交わされた中韓合意である。

今度は北朝鮮を説得して米韓合同軍事演習が行えないような形に持っていったわけだ。・・・・・後節につづく

北朝鮮、9日の南北会談を受け入れ 「平昌五輪を含む関係改善を協議」
=NewsWeek_Report  2018年1月5日(金) ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/01/9-10.php ​ 



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2018/01/10 06:05:02 AM
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