2019/05/06
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劇場型政治と“カリスマ”――00年代、小泉「ワンフレーズ・ポリティクス」の影響力
= Harbor Business Online_HBO取材班 2019年03月12日 By Web_Ronza / 西田亮介


「移行と試行錯誤の時代」だった2000年代 / 政治とメディアが「共犯関係」になった時代の「政治の言葉」
●2000年 (年間大賞) 「IT革命」木下 斉 (早稲田大学高等学院高校三年) ”情報技術(Information Technology)分野での革命が、経済の新たな成長を担うとともに、国家・社会・企業等の組織を変えていく現象。コンピュータの高性能化、低価格化と通信の大容量化、高速化を二つの柱とするIT革命はインターネット利用を急速に普及させ、電子商取引の比重を大きく高め、企業間および企業-消費者間の直接取引を増やしている。一方、IT革命の波に乗る者とこれに乗り遅れる者の情報格差(デジタル・デバイド)が問題となっている。IT革命のもたらす光と影については九州・沖縄サミットでも注目された。”

2000年代に入って、「インターネット」は単なるバズワードではなくなり、職場、家庭への本格的普及を見せ始める。静止画や動画を比較的高速にやり取りできるブロードバンドが事実上の標準的なインフラとなったことの影響や、「IT立国」を掲げて、官民挙げた取り組みや先に言及した「iモード」を始めとするインターネット接続可能な携帯電話の爆発的普及が功を奏した。

任期中に急死した小渕総理の跡を密室の合議で継承し、「神の国」発言など失言が相次いだ当時の森総理はこの「IT」を「イット」と発音し失笑を買った。だがそれでも2000年代前半の日本はビジネス、社会、文化の面で明らかにインターネット先進国であった。2000年の年間大賞に「IT革命」が選ばれているのはまさに当時の雰囲気や期待感を物語っている。



確かに「インターネット」には、日本社会の負の部分を迅速に解決してくれそうな予感がした。その予感は相当程度、素朴なものであったが、2000年代にはブログのヒット、ソーシャルメディア、SNSの流行と普及、AIブームなど、幾度かの同種の技術的、社会的な盛り上がりが繰り返されることになる(仮想通貨や自動運転、共有経済(シェア)的なものなども該当すると考える人もいるだろう)。

しかし現在ではそれほど楽天的に、しかも短期間に日本の政治や社会をインターネット関連技術がしかもより良い方向に変えてくれるという楽天的な感覚をもつことは難しいのではないか。「カリフォルニアン・イデオロギー」などと呼ばれることもある自由至上主義と反権力が結びついたエンジニア・カルチャーがなぜ日本ではあまり一般には共有されず、『動員の革命』や『ネットで社会を変える』(いずれもジャーナリスト津田大介の著作)といった期待がもたれながらも、大規模で恒常的な変革に結びつかなかったのかという問いは再度問うてみる価値があるようにも思われる。

(トップテン) 「『官』対『民』」 福田 昭夫 (栃木県知事) ”長野県では、2000年10月の知事選で市民活動への積極的な参加でも知られる田中康夫知事が前副知事らを破っての当選。その選挙の構図は新聞、テレビ等のメディアで「『官』対『民』」という言葉でクローズアップされた。そして、11月には栃木県知事選で無党派の福田昭夫知事が6党相乗りの現職知事を破っての当選。ともに「草の根運動」の選挙活動を行い、民衆が組織に勝った選挙として注目された。”

「保守王国」長野での田中康夫の奮闘は90年代からの地方分権や直接的には地方分権一括法等の流れを汲むものであった。



無党派層を勝手連的かつ緩やかに組織する手法は、インターネットとの相性もよかったとされる。その一方で官と民を対立させながら、政治的存在がさも後者の味方であるかのようなふりをして舌鋒鋭く前者を批判する手法は現在に至るまで、一定の支持を集めやすいため踏襲されている。 「行政改革」を旗印にした過剰なコスト削減政策との相性が国、地域問わず良い。

たとえば小泉内閣が取り組んだ郵政民営化や各種の特殊法人民営化の題目にもこの構図が用いられた。橋下徹元大阪市長らによる大阪「改革」も同様である。地域代表的性質の強い少数政党を国政で立ち上げ、うまくときの与党に影響力を行使しながら大都市地域特別区設置法の立法を実現し住民投票に持ち込んだその手法は田中的手法のひとつの完成形だったと見ることもできる。

いまも官対民の構図の人気は根強く、国政では一時期の勢いは見られないが、地域政党や首長、地方議員など地方政治ではいまも頻繁に見かける主張である。もちろん日本型官僚機構の課題は少なくないが、前田健太郎『市民を雇わない国家――日本が公務員の少ない国へと至った道』(東京大学出版会、2014年)など優れた仕事が指摘するように、日本の公務員数は総定員法によって管理され人口比でみたときには必ずしも諸外国より多いとはいえず、その一方で行政業務の拡大を通じた疲弊や官僚機構に対する過剰な不審感情の将来も指摘される。センセーショナルで溜飲を下げ、カタルシスを生むが、果たして現実生活を実際に改善しているかどうかはよく注視する必要があるだろう。・・・・・・・つづく



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2019/05/13 01:16:11 PM
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