2020/01/04
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​​「帝王然とした習近平」から「敵失の安倍晋三」まで、アジア首脳の2019年を振り返る​ 1/2​
= NewsWeek_Column 2019年12月26日(木) アンソニー・フェンソム


アジアにクリスマスの伝統はないかもしれないが、それはプレゼントを断る理由にはならない。各国が新年への期待に夢膨らませている今だからこそ、2019年の各国首脳のパフォーマンスを振り返ってみよう。

■空気が読めないで賞/ナレンドラ・モディ(インド)
クリスマスを台無しにしたアニメ映画の怪物グリンチさながら、インドのナレンドラ・モディ首相は「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」からの撤退を表明し、野心的な自由貿易圏構想を台無しにした。

年内に妥結にこぎつけようと、他の加盟国が粘り強く交渉を進めるなか、経済の構造改革の困難さにひるんだモディは、自国産業の保護を優先するという安易な道を選んだ。この選択によりRCEPも打撃を受けるが、それ以上にインドが大打撃を受ける。アジア第3位の経済大国は今や15カ国が加盟するRCEPにも、環太平洋の11カ国が加盟する貿易協定TPPにも背を向けて孤立の道を歩もうとしている。

インドが入れば全16カ国だったRCEPは、世界のGDPのおよそ3分の1、世界の人口の半分を占める世界最大の自由貿易圏となるはずだった。同じくアジア諸国の貿易協定であるTPPと競合関係にあるとはいえ、はるかに優れた多国間連携となる可能性を秘めていた。

国内では、ヒンズー至上主義の与党を率いるモディは反イスラム的な市民権法改正を強行。イスラム教徒の激しい反発を招き、宗教対立が激化している。地域経済の起爆剤だったインド経済の急成長にも陰りが見え始め、2020年の見通しは明るくない。

■批判にも動じないで賞/習近平(中国)
香港ではクリスマスにも各地で民主化を求めるデモが行われた。既に半年余り続く抗議デモが経済活動を直撃し、香港は10年振りに景気後退に突入したが、中国の習近平国家主席は市民の声に全く耳を貸そうとしない。「終身主席」を目指しているとも言われる習だが、新疆ウイグル自治区のウイグル人弾圧で国際社会からも激しい批判を浴びている。

成長が失速した中国経済に、米中貿易戦争の影響がボディブローのように効き始めている。民間部門が抱える過剰債務は膨らむ一方で、建設投資は鈍化し、内需も持ち直しそうにない。



だが習はこうした経済状況にも動じる気配を見せていない。米中貿易交渉では大した譲歩をせずに「第1段階」の合意に達し、居丈高なドナルド・トランプ米大統領と動揺しがちな金融市場を一時的にせよなだめることに成功した。
内外の圧力が高まり続けるなかで、習がいつまで帝王然とした不動の姿勢を保てるかはともかく、現時点ではトランプより一枚上手の役者であることは確かだ。

​<​ 参考記事​ >中国「皇帝」習近平は盤石ではない、保守派の離反が始まった  ​ https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/12/post-13697.php

■敵失で勝ったで賞/安倍晋三(日本)
2002年のソルトレークシティー冬季五輪のショートトラックスピードスケートで、ライバルが次々に転倒したために金メダルを獲得したスティーブン・ブラッドベリー選手を覚えているだろうか。日本の安倍晋三首相もこれと同じ幸運に恵まれ、2019年11月20日に通算在任日数が憲政史上最長の2887日に達した。

これといった後継者候補が見当たらないなか、本人は否定するものの、自民党総裁4選を目指し、さらなる長期支配を続ける可能性もある。

安倍政権は、債務とデフレの重みで急速に地盤沈下していた日本経済に喝を入れることに成功した。インフレ率は日本銀行の公式目標である2%に届かないが、デフレスパイラルはひとまず回避できた。企業の利益は急増し、賃金も再び上昇し始めている。加えて見逃せないのは、消費税が10%に引き上げられたにもかかわらず、今のところ景気後退に陥らずにすんでいることだ。



人口の高齢化や外的環境の変化が進むなか、安倍政権が今後も世界第3位の経済をうまく舵取りできるかは未知数だ。安倍は長年、平和主義の現行憲法を現実に合わせた憲法に改正することを自身の使命としてきたが、在任中のかなりの期間、衆参両院で多数議席を確保しながらもいまだ実現できておらず、悲願達成がかなうかどうかは微妙なところ。

参考記事 >安倍晋三の成績表:景気刺激策、対米対中外交、防衛力強化......もしかして史上最高の首相? ​ https://www.newsweekjapan.jp/glenn/2019/12/post-34.php

■八方塞がりで賞/文在寅(韓国)
韓国の文在寅大統領は「2008年の世界金融危機以来最悪」と言われる経済状況に直面している。歴史問題をめぐる日本との関係悪化で、主力の半導体産業も痛手を受けることとなった。
文政権は日本の輸出規制に対抗し、秘密情報保護協定(GSOMIA)の破棄を突きつけたが、北朝鮮の脅威が高まるなか、米政府が介入し、土壇場で延期するお粗末を演じた。

対日関係の悪化は、主要な貿易相手国である中国との関係悪化に続くものだ。韓国は2016年に米政府と在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備で合意。これに怒った中国は韓国に経済制裁を科した。
北朝鮮が強硬姿勢を見せるなか、日本との関係には改善の兆しが見えてきた。

だがあの手この手の景気刺激策や、内需拡大を狙った福祉政策にもかかわらず、経済を成長軌道にのせ、格差を解消するという公約はまだ実現できていない。財界出身の政治家、丁世均(チョン・セギュン)を次期首相に指名したが、2020年4月の総選挙に向け、文率いる与党「共に民主党」の党勢を回復するには不十分だ。

「氷は解け始めたが、春はまだ来ていない」──中国のある学者は最近の中韓の雪解けムードをこう表現した。北朝鮮がミサイル実験で挑発的な姿勢を強めるなか、文は難題づくめで2020年を迎えることになる。 ・・・・・・明日に続く

​<​ >文在寅政府の手厚い雇用・福祉政策は絵に描いた餅 財源なくして政策なし
https://www.newsweekjapan.jp/kim_m/2019/07/post.php



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2020/01/04 05:50:09 AM
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