2020/02/29
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専門家会議の見解では、家族をどうやって感染から守ればいいのか全く分からない
= NewsWeek_Column_2020年02月25日、プリンストン発 日本/アメリカ・新時代; 冷泉彰彦


2月24日、厚生労働省は専門家会議の名前で、1つの「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の具体化に向けた見解」を出しました(政府対策本部は25日、この見解を踏まえて今後の感染防止対策の基本方針を決定)。このタイトル自体が分かりにくいのですが、それはともかく、問題は、その中の「みなさまにお願いしたいこと」です。

具体的な内容について、文章はそのままに、箇条書きとして整理すると、(1)風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には、外出をせず、自宅で療養してください。ただし、以下のような場合には、決して我慢することなく、直ちに都道府県に設置されている「帰国者・接触者相談センター」にご相談下さい。
▼風邪の症状や37.5°C以上の発熱が4日以上続いている(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます) ▼強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある ※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合

(2)症状のない人も、それぞれが一日の行動パターンを見直し、対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離)が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされるような環境に行くことをできる限り、回避して下さい。

(3)症状がなくても感染している可能性がありますが、心配だからといって、すぐに医療機関を受診しないで下さい。医療従事者や患者に感染を拡大させないよう、また医療機関に過重な負担とならないよう、ご留意ください。

(4)教育機関、企業など事業者の皆様も、感染の急速な拡大を防ぐために大切な役割を担っています。それぞれの活動の特徴を踏まえ、集会や行事の開催方法の変更、移動方法の分散、リモートワーク、オンライン会議などのできうる限りの工夫を講じるなど、協力してください。

この4点については、何をすれば良いのかは分かります。理由も分かります。医療機関の負荷を減らして、重症者への治療能力を確保しておきたい、その一方で、潜在的な感染者からの感染拡大を阻止したいということだと思います。ですが、肝心のところが分からないのです。



分からないのは次の2点
1点目は、「風邪の症状だが深刻でないので、医療機関への負荷にならないように診療を受けには行かない(行かないよう推奨される)患者」の「家族・同居人」はどのように生活したら良いのかという問題です。

具体的には、家庭内で看護する場合に感染しないための具体的な対策、そして「家族・同居人」がどの程度は外出して良いのか、例えば公的交通機関を利用したり、会社に出勤、あるいは学校に通学して良いのかという点です。

これまでは、検査が陽性となった患者の濃厚接触者は観察や隔離の対象となっていました。反対に、陽性とならなかった人の家族などは全く通常の生活をしていたわけです。ですが、今後は「グレーゾーン」となる人が増えます。また、増やさないと医療機関がパンクして重症者治療のキャパシティを確保できなくなります。

つまり国策として「グレーゾーンの人」を増やし、その人には「家から出ないようにしてもらう」ということになります。この見解とは別に、「厚労省としては軽症者は自宅療養を促す」というもっと踏み込んだ方針も報じられています。ならば、その軽症者も含めた「自宅療養者」の家族・同居人はどうすればいいのか、現在の見解では何も示されていません。これは不親切なだけではなく、危険だと思います。

2点目は、仮に「自宅療養」となる「グレーゾーンの人」もしくは「軽症者」が高齢者や基礎疾患のある人と同居していた場合です。その場合は、万が一感染が発生した場合には生命に関わるリスクになります。

確かに医療機関のキャパシティは、できるだけ余裕をもたせるようにして、重症者がオーバーフローするのを避けねばなりません。ですが、そのために新たに重症者を発生させては本末転倒です。この問題をどう考えるのか、厚労省は国策として高齢者の在宅介護を進めてきたこともあり、責任のある見解を用意しなければならないと思います。



「言論の自由」求める声を聞け 論説副委員長・佐々木類   =2020.2.25 産経コラム
 心配なことがある。中国の清華大学教授、許章潤氏の消息だ。韓国の有力紙、中央日報によると、許氏は今月10日から連絡が途絶えている。 「これを書き終えてみると、処罰を受けるだろうという予感がする。私の人生で最後の文になりそうだ」

 許氏は今月初旬、インターネット上に公開した文書で、習近平指導部による新型肺炎への対応を鋭く批判した。感染の実態を隠した公権力による「道徳的腐敗」が人災を招いたとして、「怒りを抱く人民はもはや(政権を)恐れない」と訴えた。処罰への懸念を記したさきの一文は、この文言の最後につづられた。

 一党独裁体制下の中国では共産党や政府への批判は即、身辺の危険につながりかねない。そんな中での言論活動だ。許氏の覚悟はいかばかりか。

 許氏は、習近平国家主席が一昨年3月、終身主席となるための憲法改正を批判したことでも知られる。中国きっての改革派論客だ。1989年の天安門事件の再評価を求めるなど、指導部批判が咎(とが)められて清華大学から停職処分を受けたことがある。

 実名による抗議の声は続く。新型肺炎への警鐘を鳴らしながら、「デマを流した」として当局に処分された湖北省武漢市の李文亮医師が感染して死亡した後、北京大学の張千帆教授ら28人が「言論の圧殺が人災を招いた」などとする公開書簡を発表した。だが、当局はどこ吹く風とばかりに取り締まりを強化し始めているという。

 子曰(いわ)く「千乗(せんじょう)の国を道(みちび)くには事(こと)を敬(けい)して信(しん)、用(よう)を節(せっ)して人を愛し、民(たみ)を使うに時を以(もっ)てす」。
 孔子先生は言う。「大国の政治に必要なのは、事務は丁寧に扱って人民を欺かず、公の金品は節約を心がけて人々の心や生活を豊かにし、人民に労役を提供させるときは、農閑期など時を選びなさい」(「論語」全訳注、加地伸行大阪大名誉教授など)

 習氏は「感染との戦いに勝利する自信と能力が完全にある」と自らを鼓舞している。その前に許氏や張氏らの言葉に耳を傾けたらどうか。国賓として来日し、外交成果を挙げようなどと考えている場合ではなかろう。許氏の無事を祈る。同時に、圧政下で言論の自由を求める声の存在を銘記したい。



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2020/02/29 05:50:05 AM
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