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2006.05.19
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テーマ: たわごと(27647)
カテゴリ: かいそう系
エレベーターの箱の中は、ライトグリーンで塗りたくられている。明らかに素人の仕事だ。エレベーターはぐおんとワイヤーに引っ張られて悲鳴をあげながらゆっくりと上昇する。
エレベーターは9年前と何も変わっていない。その色以外は。元同僚の顔は、蛍光灯の光がそのライトグリーンに反射しているせいだろう、青紫に見える。

9年前に退社したその会社に、かつてチームを組んでいた二人に誘われて、退社以来はじめて足を踏み入れる。夜は10時を過ぎ、エレベーターがこんどはずどんと停まって開いたドアの向こうは、非常口の照明が見えるだけだ。元同僚が照明のスイッチを入れる。

なにもかわっていない。机の配置は変わったけれど、その部屋は驚くほどそのままだ。さわったらそのまま崩れてしまいそうな、酸化し尽くし茶色に変色した洋書を陳列した棚、くたびれた応接セット、そして元同じチームのふたり。僕らは残業の途中で夕食をとりに出かけ、そしていやいや職場にもどってきたみたいだ。やっぱ今夜はこれであがろうぜ、そんな感じ。3人は再び傘を手に取る。今日もそうしてこの夜まで、いっしょに働いていたように。自分はこの9年何をしてきたのだろう。

帰り道、その職場も近々移転することが知らされる。ちゃらになる。そうなればこの体にしみこんだような場所の記憶は、いったいどこにおさまるのだろう。「もう帰るところはなくなるんだ」。まるでそんなふうにとまどっている自分に愕然としたりする。そんな場所であるはずもないのに。

ついこの間まで、後輩の愚痴を聞いていた。なにもできぬまま、しかし彼の言いたいことはその背景とともにいくぶんかは理解できた。だが今は違う。彼がここ数年に重ねてきた経験は、自分のそれとはまったく違う性格のものだ。例えばそれは、彼の父親ほどの年齢の元上司に、労働条件の提示を行う、そうした経験でありもする。
私は彼の話を黙って聞いている。彼はまた、どうにも伝わるはずもない経験を扱いかねて、ときおり沈黙するしかない。そして共有することのできるものなど、もはや何もないことを、たがいに痛いほど感じているのだ。





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Last updated  2006.05.19 23:30:54
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★みゆきち★@ 性感エステってもったいないよね ムラムラってきたら性感エステに通ってた…
ウラガエル @ お久しぶりです。 suiさん どうされているのでしょう。 …
紫陽花ロック @ 鎧駅は 海に向かって断崖絶壁に駅のホームがあり…
ウラガエル @ そーですか? 育児・子育て きらりさん 「そーです…

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