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2006年01月13日
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カテゴリ: 映画
製作年 : 2004
製作国 : アメリカ
監督 : マイク・ニコルズ
製作 : ケイリー・ブロコウ
製作総指揮 : セリア・D・コスタス
原作戯曲 : パトリック・マーバー
脚本 : パトリック・マーバー
出演:ジュード・ロウ、ジュリア・ロバーツ、ナタリー・ポートマン、クライブ・オーウェン


クローサー
クローサー

ダン。小説家をめざすジャーナリスト。事実のみを追い、真実のみに価値を置くその仕事には 憶測や私情は含まれない。彼の目指す小説家は、逆に事実に基づいた上での自由な空想の世界を作りだすクリエイターである。彼の目指すところはそこなのであるが、実際のダンはジャーナリストそのもののようである。実際処女出版した本は恋人であるアリスの半生であった。

しかし、恋心がなくなれば、愛もオシマイ。
悪いけど、サヨナラね~である。
そして、彼は 愛は嘘のない真実の上にこそ成り立つと信じている。
そんな彼も、ファンタジーの世界には憧れ、趣味でネットSEXなんてやっちゃったりする。
しかし、バーチャル界では女性のふりをしたりして、彼の現実と空想の世界をきっぱりと区別している。


 アリス。元ストリッパーという、自分自身をさらけだす仕事をしていた彼女。NYからふらっとロンドンに身一つでやってきた彼女は、一見自分自身を包み隠さない人間のように見えていて、実はストリッパーと言う嘘という仮定の上に成り立つ職業と同じく、非現実に生きる女性。
男問題で疲れたアメリカを発って、イギリスに逃げ込んだことからも、それは明らか。
愛するダンが他の人に惹かれていることを知っていても、現実を見ぬふりをし、見たいところだけ、信じたいことだけ信じて生きている。


アンナ。写真家。仕事の依頼で出会ったダンと恋に落ちる。現実の断片を切り取る写真を仕事にしているが、その断片は真実であるにもかかわらず、見る者の自由に解釈され、それはたとえ悲しいものでさえも美しく解釈されたりする。それが芸術のあやふやさである。
水族館に通い、そこで非現実の世界に逃げ込むアンナは 現実が苦手なのかもしれない。とにかく美しいものに惹かれてしまうようだ。

医者であるラリーは とにかく空想とかファンタジーの世界を理解しない。



アメリカ人女性二人とイギリス人男性二人。
夢見る大陸アメリカと、歴史も長く確かさを求める保守派イギリスということも象徴しているのかもしれない。

現実的さでいうと、

ラリー → ダン → アンナ → アリス

ともなるし。


彼らが相手にぶつかり合いながらも、お互いを刺激し、自分の苦しみを克服しながら愛のぬくもりに近づく姿を描いたこの映画、なかなか面白い視点だなーと思いました。


嘘をつかれる痛み、苦しさ、それは誰も味わいたくないものである。
でも、真実をまっとうしたら、はたして人は痛みもなく愛し続けることができるのか・・・。

そんなテーマの映画です。




ここからネタバレ→






道端での一目ぼれから同棲を始めたダンとアリス、ダンの嘘を嫌う誠実な気持ちに心地よさを覚え、愛したアリス。
しかし、そのダンはアンナと恋に落ちてしまいます。

 ダンもアンナも それぞれ自分の恋人及び夫にこっそり背いての恋愛に息苦しさを感じながらも、愛はますます燃え上がります。許されない愛。障害のある恋ほど燃え上がるものはないでしょう。


 しかし、そんな関係をいつまでも続けるにはあまりにも罪悪感が苦しく、それぞれのパートナーに別れを切り出します。しかし、いざ恋をするのに自由な身になった途端、
ファンタジー的な愛が障害のない現実の愛になったとたん、
「嘘はなし」の関係は段々ときつく、苦しく、魅力のない現実と成り下がってしまったのです。

 相手の存在をオブラートで包み、自分の都合のよい解釈で理解していた関係は 相手の真実の姿を知ることで魅力がするするとなえていきました。

結局、真実の姿を知ってからさらに自分のことを愛してくれるラリーのもとに戻ったアンナ。彼女は彼女流の色眼鏡で世界を見、美しそうな魅力を放つものに惹かれていました。その危うさに気づき、現実の持つ確かさと安定に気づいたのでしょう。

 そして、ダン。真実を大切にし、愛するものとの間では真実を貫きたい。嘘が交差する間柄なんて悲しすぎる。そんなモットーを貫いていた彼が、その自分の信じる信条に逆にやりぬかれ、ぼろぼろになってしまいます。愛する恋人同士ならば、相手を愛し思いやる気持ちの上でなら、誤解を招かないようにつく思いやりの嘘、相手の失敗に気づいて気づかないふりをする嘘というものもあってもいいのではないかということに気づいたのですが、もう遅し。二人の関係は終わってしまいます。でも、これからの彼はもっと肩の力を抜いた、思いやりのある愛をはぐくむことが出来るのではないでしょうか。

 苦しい現実を否定し、ファンタジーの世界で生きるアリス。ファンタジーの世界はやさしくオブラートで包んでくれ、自分を傷つけないが、それは決して現実ではなく、完全なる解決、幸せにはつながらないのです。とにかく本音や現実を避けて通ってきたけど、ラリーやダンの本音にふれることで段々気づき始めた彼女。ロンドンへ着いたときと発つ時の髪の変化からも 彼女の成長が感じられました。





超現実なラリーと 非現実なアリスの非現実空間であるストリッパーのクラブでの掛け合いは見事でした。

現実で責めるラリー V.S. 非現実で応えるアリスの 燃えるような戦い。


この相反する二人が接近することで、相手に刺激され、ますます変わっていくのです。
現実を受け入れることを学び始めるアリス。理解しきれないことも受け入れ始めたラリー。
実はこのとき、アリスは事実を言っていたのです。しかし、現実派ラリーは信じようとはしませんでした。

結局は 嘘とか真実とかそんなものが大切なんじゃあなくて、一番重要なのは相手を信じる気持ち、信頼。それこそ愛なんですね。










ーー→ここまで。




これは有名戯曲を映画化したらしいけれど、やっぱり映画にするあたり、もっと演出を映画向けに変えるべきだったのではないかな。


舞台の上では 小さなデイテイールよりも登場人物の心の動きだけで演出も可能。
でも、映画は反対に大きな変化よりも、小さなディティールを積み重ねることでイメージを膨らませていくものだから。


例えば、劇だと、
「好きな人が出来てしまったから、別れて欲しい。」
と言うセリフがあると、その額面どおりの言葉を受け取ってしまうことも可能だけど、映画だと、「ああは言っているが、意図するところは別にあるのだろう。」
と、観客は裏を探ってしまうのではないのかな。
実際私はそうでした。(笑)あまりにもストレートすぎて、芸がなく感じてしまいましたね。
それに、あまり起伏がなくて、ちょっと疲れてしまったのも事実。
時間の感覚も よくつかめなかったです。



俳優陣はお見事というしかないです。


 特に地味げでちっちゃなナタリー・ポートマンの存在感は抜群でした。あのきらきら瞳の表現力には脅かされました~!あの四人の中では一番目立たなく個性なさそうなのに、一番の存在感。役柄のせいもあるけど、やっぱり演技力のなせる業ですよね。凄いなー。


 ラリー役のクライブ・オーウェンは実は私はあまり見たことなかったんですが、アンジェリーナジョリーとの映画で一度見かけて、力のある俳優だなあと思ったものです。今回も無骨ながら納得できないことをうやむやにしてしまわず、果敢に追求していく男っ気をうまく演じていましたね。



 上の二人には役柄的には目立たないけれど、さすがの存在感で演じていたのはジュリア・ロバーツ。彼女、なかなかいい役者さんですよね。彼女の持つ魅力で役柄に深く味をつけていく力量は凄いと思います。彼女は目立つし大スターであるゆえ、いろいろ賛否両論あったりするようですが、それも強烈な個性ゆえなのでしょう。


 私的には あまり輝かなかったのがジュード・ロウ。普通~って感じでした。





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最終更新日  2012年04月07日 01時00分31秒
コメント(11) | コメントを書く


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Re:映画『クローサー』(01/13)  
ぷちてん525  さん
そういえばそうだね~。ジュード・ロウ普通かもしれない。
というかこんな感じの役のジュード・ロウって、彼らしいというか(笑)

男と女、こんな違いがあるんだなと、見せてくれたような気がします。

(2006年01月13日 21時46分56秒)

Re:映画『クローサー』(01/13)  
iqcot  さん
見ようかどうしようかと思ってるうちに終わっちゃって・・・。あとで見たら結構評判がよかったみたいでしまったと思いました。

ナタリー・ポートマン、評価高いですよね。
実は「レオン」に出ていたのでつい最近までずっと彼女はフランス人だと思っていたのでした。スターウォーズまで出て、フランス人では一番の出世だなあなんて・・・(恥)。
(2006年01月13日 22時12分30秒)

Re:映画『クローサー』(01/13)  
ももにゃき  さん
あ、トラバりますです。

そう、真実と嘘の関係の話でしたね~!
うまい! (2006年01月13日 22時33分29秒)

Re:映画『クローサー』(01/13)  
gacha-danjhon  さん
クライヴ・オーウェンのギラギラした、いやらしさとか、嫉妬とか、凄いナーと思いました。あんな風に生生しく表現できるって、役者って凄いと、。
ナタリー・ポートマンのストリッパーで、学もなさそうな?役なのに、清純なイメージもハッとさせられました。ヌードはストップがかかったそうですけど。SW前、アミダラのイメージを壊さないためか。。

(2006年01月14日 00時34分40秒)

見ようかなぁ  
Biscoito  さん
この映画は、見ようか見ないか悩んでいた映画です!
私は、ラブがメインの映画はあまり見ないので、悩んでいたのです。
ブラジルに帰ってから旦那と見ようかなぁ☆☆ (2006年01月14日 15時11分58秒)

ぷちてん525さん  
LUANA さん
>そういえばそうだね~。ジュード・ロウ普通かもしれない。
>というかこんな感じの役のジュード・ロウって、彼らしいというか(笑)


・・・そうなんですか。私にはイマイチ魅力がわからんのです・・・。


>男と女、こんな違いがあるんだなと、見せてくれたような気がします。


-----そうですね。ラリーが思いっきり男男していましたね。
(2006年01月15日 11時02分43秒)

iqcotさん  
LUANA さん
>見ようかどうしようかと思ってるうちに終わっちゃって・・・。あとで見たら結構評判がよかったみたいでしまったと思いました。


・・・かなり深かったです。考えさせられるし。
こういうタイプの映画がお好みですか。

>ナタリー・ポートマン、評価高いですよね。
>実は「レオン」に出ていたのでつい最近までずっと彼女はフランス人だと思っていたのでした。スターウォーズまで出て、フランス人では一番の出世だなあなんて・・・(恥)。

-----何人なんですか?フランス語はなしてましたよね?確かレオンでは。

(2006年01月15日 11時04分43秒)

ももにゃきさん  
LUANA さん
>あ、トラバりますです。
>
>そう、真実と嘘の関係の話でしたね~!
>うまい!


-----わたしもTBさせてもらいました~!
奥が深くて、余韻が残る映画でしたん!
(2006年01月15日 11時05分45秒)

gacha-danjhonさん  
LUANA さん
>クライヴ・オーウェンのギラギラした、いやらしさとか、嫉妬とか、凄いナーと思いました。あんな風に生生しく表現できるって、役者って凄いと、。


・・・私結構彼、好みなんですね・・・。瞳がいいです!

>ナタリー・ポートマンのストリッパーで、学もなさそうな?役なのに、清純なイメージもハッとさせられました。ヌードはストップがかかったそうですけど。SW前、アミダラのイメージを壊さないためか。。

-----ほう、そうだったんですか。
でも、ヌードは必要ないぐらい強烈でしたよね。
(2006年01月15日 11時08分03秒)

Biscoitoさん  
LUANA さん
>私は、ラブがメインの映画はあまり見ないので、悩んでいたのです。

・・・ラブコメと違って、かなり考えさせる映画で、見ごたえありますよ~! (2006年01月15日 11時09分06秒)

Re:映画『クローサー』(01/13)  
脚本がいいのに、役者もいいのに、
映画を観てる感じがしなくて、
イイ本を読んでいるような気もしました。 (2006年05月08日 22時05分21秒)

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