文の文

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sarisari2060

sarisari2060

2004.07.29
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カテゴリ: ひとりごと
電車の中で居眠りをする。カクンとなって目を開ける。

すると、斜め前の座席の男性と一瞬目があう。30歳くらいの真面目そうなひと。

問いかけるように見つめると、むこうが困ったように目をそらす。

ああ。またか。

あのひとずっと見てたんだなと思う。気になるんだろうな、頬のテープが。

毎度のことさ。

駅に止まると前の座席が空き、新たな乗客が座る。

若くして頭髪の薄くなったサラリーマン風の男性が座り、ちらちらとこちらを見る。

仕方なく目を閉じる。

しばらく気にならなかったのに、今日はどうもいけない。なんだか居心地がわるい。

駅に止まったので目を開けると、斜め前のひとがまた目をそらし、前の薄髪男はじっとこちらを見ていた。

やだな。この男の視線はなんふだか粘っこい。

なんなんだ!と思い、目に力を入れて薄髪男を見返すと、ふいっと視線を外した。

しかし、こちらが視線を外すとまた、ねばっこい視線を感じる。

もう目を閉じないで、薄髪男のすぐ後ろの景色をじっと見つめた。

微妙に視線は合わせないが、顔はまっすぐかれにむかっている。

むこうがそわそわとしているのがわかる。

ふん!だ。

思いがけず、降りる駅が同じだった。

ふっと座席から立ち上がって並ぶと、かれはわたしよりも背が低かった。







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Last updated  2004.07.30 01:48:37
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