CAPTAINの航海日記

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2025.12.16
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過疎ビジネス (集英社新書) [ 横山 勲 ] ​

河北新報の記者が国見町で昨年発生した一連の問題について執筆した本ですが、舞台が我が家から近い国見町ということもあってか「ほぼミステリー小説で面白い」との感想でした。
著者の横山記者は今年10月に実施された宮城県知事選においても嘘やデマが横行していたSNSに対してファクトチェックを実施するなど、昨年今年と地方紙においてはエース級の活躍を見せています。今後の取材ぶりにも期待が持てそうです。
そんな記者、福島県の地元紙からは多分輩出されないんだろうなぁ…というのも、当の横山記者ご自身が、農業ジャーナリストの窪田新之助氏との対談でこんなことを語っていたんですよね。ちょっと長くなりますが抜粋します。

窪田 先ほどの音源テープで、町政に入り込んでいたコンサル会社の社長が「自分たちが入り込んで儲けるのには『無視されるちっちゃい自治体』『誰も気にしない自治体』がいいんだ」とも発言していましたよね。これについて横山さんは、「誰も気にしない」というのは「メディアも」ということだ、と書かれていたと思うのですが、冒頭でもおっしゃったように、メディアの弱体化がこうした不正を招く一因になったと感じておられるわけですか。

横山 はい。あの音源を公開した後、コンサル会社の社長が辞任した段階で、私は国見町の問題における自分の役割は一段落したと考えていました。コンサル会社は河北新報の拠点である宮城県に本社がある会社だからいいとして、国見町という自治体がこの問題にどう後始末をつけるのか、どこに責任があったのかといった追及は、当然福島の地元紙がやってくれるだろうという期待があったからです。福島県には福島民報と福島民友と、地元紙が2紙ありますが、一つの都道府県に広く普及している2紙があるのは、全国でも沖縄と福島だけなんですよ。
ところが、 実際にはどちらの新聞も、この問題については「ガン無視」だったんです。



横山  さらにその後、国見町がこの問題について住民説明会を開いたんですが、そこに両紙とも来ていたのに、社会面の下のほうに小さく「住民説明会開いたよ」くらいしか載らなかったんです。
もし河北新報の地元である宮城県で何か事件が起きて、それを他の新聞がすっぱ抜いたとします。その後、私たちがそのニュースを無視して報じなかったら、やっぱり「読者に怒られる」という感覚があると思うんですよ。なんとかそこからでも追いかけて最低限の情報は出したい、追いつきたいと思うし、別の角度から切り込めないか、自分たちにできる取材は何だろうと、必死で考えると思うんです。なんでそれをやらないんだろうと。
そういえば国見町で、コンサル会社の問題で百条委員会の取材に行ったときも、福島の2紙の記者が肩を並べて担当の課に挨拶に行くのを見かけました。さっきまで委員会で問い詰められていた課長と、記者が2人並んでにこにこ談笑している。げんなりしましたね。

窪田 私も対馬でJAを取材していたとき、地元の自治体とメディアとの癒着をいろいろ見てきたので、そういう話を聞くと身につまされます。
(原文より一部表現を変更。太字は引用者)

「横山記者、よくぞ言ってくださいました!」というのが率直な感想です。
福島県の地元紙って、どちらも行政に媚びているというか忖度しているというか、とにかく礼賛記事ばかりで行政の問題点にはほとんど触れないのが特徴。だからなんとなく北朝鮮的な紙面だな~と前々から思っていました。
国見町の件は地元紙として大きく取り上げるべきだったと強く思うのですが、そもそも地元紙の取材拠点が国見町から少し離れた伊達市保原町にあって記者も国見町への関心がさほど高くないであろう上に、平時だと国見町の話題が取り上げられるのは入学式や卒業式、成人式といったイベントぐらい(しかもそれすら取材に来ないケースがあったりする)ですから、記者も「町政担当者と仲良くしておけば適当な記事が手に入るだろう」ぐらいにしか思っていないんでしょうね。
ひょっとしたら「行政との良好な関係を保っていなければ紙面が埋まらない」体質的な問題があるのかもしれませんが、だとするならば似たような紙面構成の地元紙が2紙ある現状は少なくとも読者からすれば情報を得る機会の損失でしかない訳で、どちらか一方の新聞で構わないので河北新報並みのフットワークを見せてもらえばと思うのであります。





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Last updated  2025.12.16 12:52:18
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