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カテゴリ: 茶木の音楽紀行
8月の中ごろになってやっとアオルマン先生のレッスンが始まって、ケルン市内から
直子さんの車でアウトバーンで40分ぐらい掛けて出掛けた。
ドイツの一般の一戸建ての家は日本のそれより遥かに大きく、当時スタジオとして使
われていた先生の自宅も田舎の小川の畔にゆったりとした敷地に建っていて、向こう
では珍しく裏に小高い山が有った。
レッスン部屋は台形が崩れたような形の100畳ぐらいある広い部屋で、そこに10
人以上の人が集まり皆ソファーに座ってレッスンが始まるのを待っていて、僕もその
中に座った。
初めて見る顔も多く、皆にこにこしてこちらを見て数人が僕に話し掛けて来た。

とか言う質問で、また訳してもらって答えた。
いつの日か彼らと自由に会話を楽しむ日が来るのだろうか。
その時先生が入って来て、直子さんと僕を呼んで、突然「彼はどれくらい見えるのか
しら?」と質問した。
直子さんの通訳で自分の状態を説明した。
僕の病気は「網膜色素変性症」と言い、三大眼病の一つで、何故難病かと言うと現在
の医学では網膜移植が不可能であると言う点と、進行性の物であると言う点であり、
ほとんどの人が失明を余ぎなくされている。
先生はなぜそんな事を突然尋ねたのか分からないが、「貴方は自分が見えるのだと思
うのです。
見えなくなるなどと決して考えず見えると思い込む努力をしなさい」と言って席に着

僕はしばらくその事に付いて考えてみた。
「そんな事無理だ!」とその時僕は思った。  つづく





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最終更新日  2005.12.30 12:38:21
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