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・9、22、木
今回の事故によって我々は何を明らかにし、直視し、そこから何が勉強できるか、それこそが大事であると考える。
国内での原発事故のような、誰かに責任を問われるようなことが起こると、必ず見えて来る日本人の性質がある。
ここを直視し、見直して行く姿勢を獲得したいものだ。
これは政治的な分野だけではなく、我々の毎日の生活の中にも見受けられる傾向だろう。
だから目に付くこと、また自分の言動から感じることをこれからも取上げていきたい。
ここで武田氏によって述べられた「結局誰も何も考えていない」ということがその一つ。
確かにそうかもしれない。
国内の権威のある学者たちが、誰かが一年1ミリシーベルトだと言えばそう言い、誰かが100ミリシーベルトと言えば簡単に言い分を変える。

明治維新以後、今までの日本からしてそうだった。
ヨーロッパやアメリカが言うこと、行なうことが最も正しいことであり、すべて二番煎じで真似をして安心して来た。
その真似が本物よりも優れていたということもあったが、自分の頭で考えることが根っからの苦手なのだ。
そして根深く残る白人コンプレックス。
ヨーロッパやアメリカが手を出す産業や活動には、遅れまじと手を出さずにはいられない。
事故の想定やその恐ろしさも全く眼中になく、事故が起こった時の対策も全く成されずにスタートした原発もその一つだろう。
ーーーーーー
心が二つに分かれている時代
今、太平洋の魚介類がどのぐらい汚れているのか、コツコツとやっていますが、北海
道から愛知県まで太平洋側の魚介類、藻類でやや小型のものはかなり汚染されていま
す。ところで・・・

家が一斉に「被曝は大したことはない」と言い出したこと、それに衝撃を受けたのは
私だけでは無いでしょう。
また、科学者である私にとって見れば、実験結果、観測結果などの事実は、それまで
の自分の考えをすべて捨て去らなければならないほど重要なことです。だから、20
07年の柏崎刈羽原発の事故と、2011年の東通、福島第一、それに東海第二の事

う科学者はいないはずです。
それなのに、まだ日本原子力学会も、大学の原子力関係の研究者も、そして国の原子
力関係者も、事故の前と同じような考えで研究をしています。
なぜなのだろうか? 先回、「もしかしたら、日本人はなにも考えていないのではな
いか、自分の意見というのは無いのか?」ともおもいました。でも、日本人には他の
民族にないすばらしい性質を持っていることも事実です。
・・・・・・・・・
日銀で活躍していたある友人が今から15年ほど前に私に次のような話をしてくれま
した。
「1980年代に日本の銀行もサラ金のような個人向け・無担保の業務に乗り出そう
かと検討したが、最終的には銀行のやることではないということでやらなかった。で
もその後の状態を見ると日本ではサラ金が大成功した。そのもっとも大きな理由は日
本人は「借りたものを返す」という世界でも珍しい民族だったからだ」
つまり、多くの国では短期間にお金が足りないから借りるという場合、借りたお金を
返さないのですが、日本人は必ず返すという特別な人たちだというのです。
同じような話を同じ時期に聞いたことを思い出します。ある総合商社で長い間、資金
回収を担当し、重役にまでなった人でしたが、この人は、
「不思議なことに、海外のお金を回収するときに、相手の事務所が日本人の経営なら
まず間違いなく資金は回収できた。でも不思議なことに、相手の事務所の経営者が外
国人でも事務所に日本人が一人でもいれば回収は容易だった。本当に不思議だ」
と言っておられました。
私はこの二つのことを聞き、江戸時代のことを書いた本を思い出したのです。借金を
した人が証文に、「もし金子(きんす)を返さない場合はお笑いになっても結構です
」と書いているのです。「笑われる」ということは日本では「死ぬより辛い」と考え
られていたと解説されていました。「恥を知る」というのが日本の文化の根源にある
のですが、それは遠くアフリカからユーラシア大陸を横断し、ついに太平洋を望む最
後の土地にたどり着いた私たち日本人のルーツなのかも知れません。
・・・・・・・・・
そんなまじめな日本人、正直で誠実な日本人がなぜ、3月12日にころっと変わった
り、科学者が事実を見ても原発を進めようとしたりしているのでしょうか? 福島原
発事故で苦しんでいる多くの人は、実はこの矛盾を克服できないのではないかと思い
ます。
そういえば奇妙なことがあります。リサイクル運動以来、私は「環境研究家、環境運
動家」と言われる方とのつきあいがあったのですが、日本が放射性物質でこれほど汚
れているのにあまり動きが無いのです。特にセシウムはかなり測定されているものの
、骨にたまって白血病になる可能性があるストロンチウムや、肺に入って肺がんを引
き起こすとされるプルトニウムがほとんど測定されていないのに、あまり関心がない
ように見えます。
環境研究家に怒られるかも知れませんが、彼らは「日本の環境」が心配だったのでは
なく、「環境の仕事」を失いたくなかっただけではないかとも思います。それは原子
力科学者もそうで、彼らも「原子力」に興味があったのではなく、「原子力の仕事」
を失いたくないので毎日、頑張っていたのではないか?と疑いたくなります。
事故が起こったことは大変、不幸なことでしたが、悲惨な墜落事故を乗り越えて現代
の安全な航空機があるように、科学的に見れば原子力利用のための大きな進歩をもた
らす原因にもなるわけで、多くの課題が提供されてもいるのです。
自分が言っていること、自分が書きたいことは、自分の魂の叫びなのか、それとも単
にお金が欲しいからいっているのか?・・・これについて20世紀の初頭、マックス
・ウェーバーという社会学者は冷たく言い放っています。
「学問が生活の糧を得るためだけの職業としての学問になって久しい」
(平成23年9月19日)
「takeda_2xxx-xxx-xxxxxno.149-(9:07).mp3」をダウンロード
[Photo。]
武田邦彦





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最終更新日  2011.10.02 17:03:13
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