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・3、30、金
金銭に異常に執着し、欲望をむき出しにしてまでも少しでも利益を求めるという人物
を、僕も何人か知っている。
大概それは貧乏な環境に生まれて、欲しいものが思うように手に入らなかったという
人に多いように思う。
かと言って、金銭を蔑んで、それでも不自由なく暮らして行けるという時代でもない
。
何と言っても今は大不況の中に有り、その上少子高齢化、そして増税、原油高騰など
で、誰もが余裕のない胸を抱えて毎日を送っている。

い。
その中で国の予算を食い物にする輩は許すことはできないが、学者などは研究に莫大
な費用が掛るものだろうし、また費用がなければ国力を上げる研究結果も得られない
のではないだろうか。
本当に必要なところに費用が回らず、私利私欲の塊のような連中のふところにばかり
予算が回るようなシステムに出来上がっている。
大体において、国のトップのやり方がすべてまずいことになる。
それに伴って、法律もおかしな部分が非常に多い。
ある友人が遺憾に思うこととして上げているのが、路上で自転車や歩行者がどんな身
勝手なことをしても、信号を無視して道路を渡っても、それを車が引けば車の罪にな
る。

こんな筋の通らない法律が、この国にはいっぱいある。
駐車禁止の看板の下に止まっている車を傷付けても、傷付けた方に罪が問われる。
殺人事件でも、なんやかんやと加害者の権利が守られている。
僕が通り魔に殺されても、その異常者は今や6・7年で出て来るだろう。
こんな国で殺されたら、死んでも死に切れない。

機械を買って付いて来る取り説と同じで、頭の悪いやつがすべてのルールをこしらえ
ているに違いない。
話を戻すと結論は、金銭を蔑んで暮らせたら、本当に必要なところに予算が流れるか
もしれないということだ。

ーーーーーー
あの明るかった日本に戻るために(1)・・・現代日本の病根と治療
東北大震災と福島原発事故を起こしたもの、それは現代日本に巣喰うかなり深い病根
です。そしてそれを治療することが私たち大人の役割と思います.
病根の第一は「」、第二が「空気を事実とすること」、第三に「ウソの容認」、そし
て第四は「黙れ!じいさん」です。いずれも傷はかなり深いので、一つ一つ考え、日
本社会から変えていく必要があるでしょう.
・・・・・・・・・
第一の拝金主義: 日本の文化はお金を蔑みました(さげすむ)。特に社会の指導者
として精神的な高貴さを大切にした日本の武士は、金銭に近づくことをいやがり、こ
のことは新渡戸稲造の武士道に詳しく書いてあります。
明治生まれで京都大学の数学をでて大学の数学の先生になった私の父も、まだ武士の
面影を持っていて、お金を嫌っていました。「京都大学」という大学は世俗のことと
は離れた一風、変人が多いのですが、学問の府としてはとても立派なところだったと
思います.湯川秀樹や朝永振一郎という日本で最初にノーベル賞を受賞した立派な学
者が京都大学だったと言うことも偶然ではありません。
最近は「お金(研究費、会議費)をとれば優れた学者」ということになり、官僚と癒
着し、ワインの種類に精通し、派手な背広をきる東大の教授が出現しています.私が
会社の技術者から大学に移り、東大の先生などと頻繁に会合を持つようになって、最
初に驚いたことは「東大の先生は勉強が嫌いなのだな」と言うことでした。
東大ばかりではなく、多くの大学の学長など本来なら人格高潔、学問一筋のはずが、
出世することが目的で学長になった人が多いのにもビックリしました。
このような傾向は大学の先生ばかりではなく、官僚や政治家でも同じです.本来なら
、大学教授、官僚、政治家などの職業は「お金」が目的ではなく、その社会的使命に
没頭できる人でなければつとまりません。それが全く違うのです。
その意味では、私はプロ野球南海ホークスの鶴岡監督が「球場に銭が落ちている」と
言われたのが日本の職業意識が大きく変わったキッカケになったと思っています.鶴
岡監督自身は「プロ意識」を育てようとしたのです、それまでのスポーツ選手は「お
金のためではなく、野球のために野球をする。俺は野球ができれば幸福だ」と言うこ
とだったのですが、鶴岡監督の一言があまりに強烈で、またその時期に日本社会が「
魂からお金」に代わるときだったので、彼の言葉は人口にも膾炙し、「お金まみれの
スポーツ界」に変身しました。
契約金などが話題になり始めると最初は違和感をもっていた私たちも、いつの間にか
プロスポーツの選手はお金で評価すると言うことになり、さらに高等学校までお金の
影がちらつくようになったのです。
「好きで学問をする」、「日本のために政治や行政をする」、「野球がしたいから野
球をする」という人はほとんど絶滅しました。このような行動パターンは「貧乏にな
る」と言うことではありません。私の言う「お布施方式」です。
「お金のために学問をしたり、本を書いたりするのではないが、たまたまが研究が評
価されてノーベル賞をいただき賞金を手にするとか、良い書籍を書いたのでベストセ
ラーになり、結果的に印税が入る」というのが私の言うのがお布施方式です.
お坊さん、先生、お役人、政治家というのは基本的には貧乏が似合っています.移動
するのも車などは使わず、古びた鞄を持ってとぼとぼと歩いてくる偉い先生というの
ではなくてはいけないと思います.でも、時としてお礼の金子をいただき、ちょっと
豊かになるという職業なのです。これが逆になっては社会がダメになるのです。
「古い時代を懐かしむ」というのではなく、それが「お金で人を判断しない日本文化
」だからです。このような感覚の差は江戸時代の終わりに多くのヨーロッパ人やアメ
リカ人が日本を訪れ、日本人がお金に執着心のないことにビックリしています.むし
ろ、「お金を蔑む」という風潮は殿様にも庶民にもあって、殿様は質素を旨として板
張りの部屋にゴザを敷いて生活し、江戸っ子は「宵越しの金は持たない」と言うこと
をホコリにしていました。
日本はキリスト教的な契約社会ではありません。精神構造も契約的ではなく、あうん
の呼吸で全体を把握し、それに従って生きるという民族的特徴があります。だから「
お金でものを測る」ということ自体がそぐわないと思います.
・・・・・・・・・一例を挙げます・・・・・・・・
40年前から「明日にも来る」と言われ続けてきた東海地震はまだ来ていません.そ
の代わり、阪神淡路大震災、2回の新潟地震、北海道太平洋側の地震、それに今回の
東北大震災などの巨大地震が連発しました。
なぜでしょうか? これもまた拝金主義の結果です.もともと地震予知ができないか
ら「地震予知の研究を開始しよう」というのが東海地震の研究ですから、論理的に言
って「東海地震型の地震に先立って起こる」ということはあり得ないのです.
東海地震が先に来ることが学問的に判っていたのではなく、東大地震研に税金(地震
予知の研究費)が行ったから東海地震が先に来ることになった、その結果、他の地域
の研究がおろそかになって、阪神淡路大震災の6000人、東北大震災の2万人が亡
くなったということですから、拝金主義の罪は深いのです.
今回の原発再開問題でも、福井県の原子力安全委員の多くの人(大学教授)が審査の
相手になる関西電力などからお金をもらって審査をしていたと言うこと、九州の玄海
原発を受け入れた町長の兄弟が原発関係の仕事の9割近くを受注していた、瓦礫を引
き受けるのに熱心な市長とその受注者が瓦礫引き受けに反対する一般市民を恫喝する
・・・などなど拝金主義のために私たちは安全な生活が何かも判らなくなってきてい
ます.
原子力安全委員が2011年3月に福島原発が爆発した後、責任をとって辞任しなか
ったのは1650万円の年俸と関係があると考えて良いでしょう.事故を起こした当
時に社長だった東電の社長は2億円から5億円の退職金を受け取ったと言われます.
本当に武士としては恥ずかしい限りです.
・・・・・・・・・
まずは学校で「人生はお金ではなく、仕事に命をかけることが大切」と言うことを教
えることです。日本には宗教があまり強い影響を発揮していないので、このような日
本文化の基本の基本は日本人が合意して教育に入れていく必要があります.
第二に、新聞やマスメディアが拝金主義の報道を止めることです。例えばプロ野球選
手やその他のスポーツ選手の契約金などの報道を止めるか、もしサッカーなどでお金
が目的の場合「スポーツ」に分類しないことが大切と思います.
社会は色々な楽しみが必要ですから、「エンターテイメントなったスポーツ」も存在
価値がありますが、それはあくまでもエンターテイメントであって、スポーツではな
いと思います。その点で、今のプロサッカーは全くスポーツではなく、ラグビーの方
はスポーツと分類できると思います。
拝金主義を変えて行くには、庶民のお酒の席の話から、NHKのニュースの「今日の
円ドル相場」の放送の中止など、あらゆるところでお金の話をせず、お金をバカにす
ることからでしょう。それによって、「お金を蔑み、学問、文化、魂を尊重する」と
いう社会に少しずつ戻していく必要があると思います。
まず我々ができることは「お金持ちを軽蔑し、お金を軽蔑すること」で、朝起きたら
「今日も朝が来たか」ということを神様に感謝し、その日を精一杯生きる、そういう
昔ながらの日本文化を取り戻せば、日本は再び良い国になると期待されます。
(平成24年3月27日)
「takeda_2xxx-xxx-xxxxxno.466-(13:00).mp3」をダウンロード
武田邦彦





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最終更新日  2012.04.01 10:20:36
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