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・5、5、日
武田氏の講義によれば、1800年代後半にロシアはシベリアから満州、旅順辺り一帯に進み出て、シベリア鉄道、満州鉄道を引いて目覚しく膨張し始めた。
これはもちろんイギリス、アメリカの世界征服に危惧したロシアがアジアを抑えに掛かったものであろう。
中国を取りに動き出したということは、日本にとっても大きな恐怖である。
いずれ日本にも侵略の手は伸びてくるであろうことは明白である。
そこで台湾、朝鮮を先に取りに出ることになる。
やがて日本とロシアはぶつかり、何と予想外に日本が勝つ。
これは西欧中を仰天させた。
今まで東洋人というものは戦うことには全く無力で、騙すのは赤子の手を捻るようなもので自衛一つ出来ないやつらとバカにしていたのに、日本なんて気にもしていなかった小さな国が、大国ロシアを負かしたということへの不意打ちである。

アジアでただ一人日本だけが白人に立ち向かったとも言える。
立ち向かった日本が正しいか間違っているかは別の問題として、国は自衛するためには膨張せねばならなかったということだ。
ただこれは国単位の歴史であり、中国や朝鮮に出向いて行って、日本軍がその勢力を誇示して、無抵抗な庶民を殺戮し続けたことはまた別の問題である。
「俺たちは有能な日本人だということが、日露戦争以後分かって来た。
だから貴様ら無能な連中は虫けら以下で、俺たちに面白半分に殺されても当然だ」というような意識が個人の中にあったのだろう。
バカに武器を持たせると始末に負えない、ということだ。
だがこれは日本人に限ったことではなく、どこの人間でも戦勝国というのはこのような思い上がった状態になる。
これこそが戦争の恐ろしい現象の一つであろう。
もし白人がアジアを抑えに掛かった時に、中国、朝鮮、日本が団結して彼等に立ち向かえることができれば、アジアの歴史も大きく違っていただろう。
だがその頃の日本は日露戦争の勝利に酔いしれて、大陸でも力で抑圧することしかできない幼稚な精神状態であったと見えて、アジアが団結することなど不可能であった。
そして白人の戦略から今でも「日本は常に叩いておけ」という風潮が中国、韓国にある。


「そんなことが今の時代に起こるものか」とほとんどの人が思っている。
しかし数千年の年表を見てみると、我々人間は戦争と平和を繰り返して来ている。
時には何百年の平和な時期もあるのだが、やはり何時の日かまた争いが始まっている
。
争い殺し合うことが我々人間のDNAなのだから遺憾ともし難い。

「戦争反対!軍備強化反対!」と声を上げて叫んでいる時は平和な時である。
外部からの暴力に対しての抵抗力がなければ、たちまち奴隷となり、貧困が襲い、自信を喪失し、心は荒んで行くことだろう。
「あそこはやっかいだから手を出さない方が賢明だ」と思わせなければならない。
国は、他国から一度ツラを舐められれば終わりである。

だが公的に軍を持てば、必ずそれは暴走し、軍が政治を司ることになり、じわじわ恐怖政治、国民を騙しながら独裁国家が出来上がって行くことは容易に想像できる。
僕は武田氏のように人を信じることはできない。

どうすればいいのか、答えは見えない。

ーーーーーーー
正しい歴史認識第五回 中国がほぼ見えなくなった時代
「tadasiirekisi_05chugokutdyno.172-(12:34).mp3」をダウンロード
[Photo_2。]
(読者の方からのご指摘で、時間的に「日清戦争ー日露戦争ー第一次世界大戦」なの
ですが、音声で日露戦争が後のように話しています。また1895年と言うべき所を
1995年と言ったりしていますので、早い機会に音声を直します)
今では中国は大国ですが、日本と中国の問題が起きた頃、実は中国という国はなかな
か「見つけることが難しい国」だったのです。
アジア民族がヨーロッパ人の侵略で呻吟している頃、中国(支那)はどんな状態だっ
たのでしょうか?
(平成25年4月29日)
武田邦彦





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最終更新日  2013.05.05 20:58:52
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