2006.05.29
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カテゴリ: 一句
その駅の北側には、田圃が横たわっているのだろう。人気のない、暗い駅の向こうに、かすかな街灯の照り返しを受けて、横にやや大きく広がる水溜りが見える。ゲロゲロ、ゲロゲロと、蛙たちの鳴き声が、そのいくつもの輪唱でうねりを成して、いつまでも続いている。夜が次第に更け行く中、それまで聞こえていなかった、駅のすぐ近くの、1、2軒の民家の脇付近にも、鳴き声が始まった。グワグワグワ、時折、質のやや違った声もあがる。辺りは、あたかも、タクトを振って、交響曲が鳴り響く舞台のごとく、夜の闇に、盛大な輪唱がたなびき広がっていた。そうして、やがて、駅に近づく列車の光が見えて来た。





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Last updated  2006.05.29 11:27:59 コメントを書く
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