男女に関わらず、性被害の問題が、昨今、取沙汰されている。今まさに、時代は、力関係で物事が公然と進められた時代ではないという証左だ。つまるところ、人間が人間として生きる権利が尊重されるべきであるとする、至って当然の論理が世の中の仕組みに浸透してきたと言うべきであろう。すなわち、人権問題が来るべきところまで来たのである。

人種差別をはじめ、様々な差別問題も、結局、この人権問題に帰着する。

自らの利益や欲望のために、他者が犠牲になってはいけないのである。このことは国家においても同様である。国家のために国民が犠牲になってはいけないのである。

人類は、その長い歴史の中で、人権が尊重されるべきことを標榜してきたわけだが、今まさに、人間尊重こそ人間社会の基本であるという時代に入ったのだ。にもかかわらず、武力で領土を奪取するような、時代遅れの国家があったり、核兵器で互いに脅し合ったりする国々があること自体、重大な問題なのである。人類は戦争を悪と捉える時代に入ったことを、世界の為政者は覚知するべきである。