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「私はゆっくり眠れますよ。」 アンゲラ・メルケルは首相府における政権交代を冷静に見守っている。
2021年10月22日
メルケル政権の副首相だった SPD( ドイツ社会民主党 ) の人物が、まもなくドイツで政権を握ることになるだろう。しかし、彼女が不安になることはない。連邦議会選挙後の最初のインタビューで、彼女は自身の在任期間を総括した。
連邦首相としての16年間を終える CDU( キリスト教民主同盟 ) のアンゲラ・メルケルは、首相府における政権交代を冷静に、しっかりと見守っている。連邦議会選挙後初のインタビューで、彼女は『南ドイツ新聞』に語った。「私の在任期間中に私たちが何をやり遂げたのか、私には分かっています」。2005年以降、メルケルは首相として国を率いてきた。
今後、 SPD が再びこの国の政権を握ることを考えたとき、あなたは落ち着いた気持ちで眠ることが出来ますか、という質問に対し、メルケルは「ハイ」と答えると、こう続けた。「政治的見解の違いは当然のことですからね。私はゆっくり眠れますよ。」
SPD 、緑の党、 自由民主党 ) は、12月6日から10日にかけて、 Olaf Scholz (SPD) を首班とする連立政権樹立に向けて動いた。 Scholz はこれまで副首相兼財務相であった。「 Scholz さんの財布のひもは緩いわねって、いつも思っているわけではありません」とメルケルは言う。
連邦議会選挙で与党が残念な結果に終わったことと、この結果に対するメルケルの責任について、彼女は次のように答えた。「良い結果が出なかったことは明らかです。現在 CDU と CSU( キリスト教社会同盟 ) は、選挙結果を教訓とし、将来に向けて今回の選挙の総括を行っているところです。両党とも、順調にこの作業を終えるでしょう。」
「私が行った全てのことは、やらなければならないことでした。」
CDU が支持を失ったのは、メルケルが候補者でなくなったから、あるいは首相退任後に向けた準備が不十分だったからなのか、という質問に対してメルケルは答えた。「誰にも働くべき時というものがあるでしょう。私は2018年に党首を退任し、そして今、連邦首相としての任期を終えます。私が行った全てのことは、やらなければならないこととして行いました。それは目下の問題に対応するためだったわけですが、もちろん諸々の決定事項が将来においても有効であればよい考えています。」
気候保全政策についてメルケルは、ドイツは過去10年間で再び二酸化炭素排出を大きく削減したことに論争の余地はないと言う。これは1990年代におけるよりも難しかったと、旧東ドイツの発電施設を引き合いにだしながら説明している。つまり、当時は旧式の発電所や生産施設の閉鎖が、大規模な削減という結果を導いていたのだ。「私たちが必要とする成果にはまだ届いていません。でも、道筋をつけることは出来ました。」
メルケルの想像を超えたコロナ危機
コロナ危機についてメルケルは、「子供たちが極めて長い期間通学できなかったのは第二次世界大戦以後はじめてのことであり、私がその責任を負う連邦首相になる」ことなど全く予期していなかったと言う。「そのような措置の導入が必要になったことは、先に起きた危機的状況に対応した私の想像をも越えていました。いずれにしても、やり抜かねばなりませんでした。」
メルケルは医療体制の逼迫回避で重要な役割を担い、適切な医療処置を提供し、死者数を最小限に抑え込んだ。「この二つの点において、ドイツでは事態の大きな悪化を阻むことができましたが、これに耐えねばならない国もありました。こうしてみると、私たちはこれまでのところ、パンデミックの難を切り抜けることが比較的可能だったのでしょう。」
失敗を認めたメルケル
メルケルは失敗があったことも認めている。「あの時のことを思い出すと、今でも悲しい気持ちになります。昨年のクリスマスのことです。当時、検査は可能だったのです。それにもかかわらず、老人ホームや介護施設では検査が頻繁に行われていませんでした。クリスマスの前後、各地域の責任者たちとの電話会談の際には、一個人としても検査の実施を強くお願いしました。私たちは無料検査を実施し、またそのための人件費も引き受けていました。それでも介護施設で検査が実施されるまでには多くの時間が必要でした。パンデミック対策において、最も困難極まりない時期でした。」
首相の座を離れてまず何をするのか、メルケルはまだ思い付かないらしい。けれども夫の Joachim Sauer には、やがて彼女が家の中でぼんやり座ったままになるという心配はないようだ。「彼はそのような心配をしていないと思いますよ。第一、彼にはやらねばならないことが十分にありますし、私だって家でただぼんやり座っていることは決して得意ではありません。」
首相府内には、歴代首相の肖像画を展示するギャラリーがある。メルケルによれば、そこに彼女の絵が飾られる予定だという。しかし誰に絵を描かせるのか、まだ決めていないらしい。「何年も経ってから、やっと絵を描かせた方もいたみたいですよ。」 (dpa)
出典 : Tagesspiegel.de