添乗員は見た![あんな事こんな事]

添乗員は見た![あんな事こんな事]

2010/06/30
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“そうだったのか・・・。
社長は私を守るように指示してくれたンだ・・・。“
そんな事を考えてたら顔がニンマリしていたらしく,やっぱり
アンジーに“喝っ”を入れられた。
「空ちゃんっ!! いい加減におし!! 顔・・緩み過ぎ!!」 
「・・・,アハ・・アハ・・ハハハ・・・ゴメンわかり易くて・・・。」

新幹線の発車時刻15分前,改札口前に再集合してもらった。

今度はみんな揃っていた。ただ・・1人気になったので探してみる。
両脇を他の社員に抱えられるように並んでいる“柳さん”も目視で
確認することが出来た。

「それでは皆さん,12番線へ向かいますので後に続いて下さい。」
と,私は先頭で待っていた社長にちょこんと頭を下げ,私のバック
の中でずーと出番を待っていた,添乗員用の旗を掲げた。

未だに私を囲んでいる3人のSPにも心躍らされるが,私には
もっと従順で優しくて無口だが,いつも側で見守ってくれている,
そんなヤツがいる事を忘れていた。

紺地に白の文字で,会社のロゴマークが入ったこの旗は,

と,側にいて励ましてくれるのだった。

私が添乗員デビュー間もない頃,この旗を持つことが
楽しみでならなかったが,いざやってみると,これを出す機会が
割と少なく,そのくせいつも私と行動を共にしては,バックの中で
お行儀良く待ってくれているこの旗には,とても愛着があるの


久しぶりの出番だ!この次はいつ会えるかわからない。
風のない室内で遠慮深く翻るこの旗を,私は大きく左右に
振って,精気を注ぎ込んだ。

また,ホームにて少しの待ち時間を経て,新幹線に乗り込んだ。
私は全員乗った事を確認すると,出入り口へ戻り,ホームに忘れ物は
ないか,のぞき込む・・・。
そして“OK”と,つぶやいた。私にとっては,これが新潟への”別れ
の挨拶”のようなものだった。

私は,長く伸ばしてしていた旗をバックしまうため短くしていると,
カチッと音がして止まった。
と,同時に発車のベルが鳴り,間もなく新幹線は東京へと滑り出すのであった。
          つづく





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最終更新日  2010/06/30 03:47:03 PM
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