添乗員は見た![あんな事こんな事]

添乗員は見た![あんな事こんな事]

2010/07/08
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ウト・・ウト・・にも程がある!
時々目を覚ましても,目の前に立つヤツの足下しか見ていなかった。
ハッキリと“痴漢だ”と気付き,パッチリと眼を見開いて顔を上げた
とき,混雑などしていなかったのだ。

私のいた車両は,空席が目立ち,立っている人など1人もなく,ヤツ
だけが私の前に立ち,私の膝をこじ開け自分の膝を無理矢理割り込
ませていたのだった。
“ウワ~~~ッ”と,声を張り上げれば良かったが,その時私はヤツ
の顔を見ることさえ出来なかった。


今思えば情けない話しだが,怖くて怖くてそこから逃げる事が精一杯
だったのだった。
私は目を伏せたまま,膝に置いていたバックでヤツの足を押し出し,
立ち上がった。そして隣の車両へ移って行った。

ハッキリは憶えていないが,多分2,3両離れた車両の空席を見つけて
腰掛けた。横目でさっきの車両の方を見てみたが,追って来るようす
もなく,静かに深呼吸をして自分に“落ち着け・・・。”と,言い聞
かせた。

クーラーの弱い車両だったのか,私が走ったせいか,少し汗ばんで
きてジャケットを脱いでしまった。
ジャケットの下はノースリーブだったため,私も若干気が引けて,


・・・しまった!!。
私は証拠にもなくまたウトウト・・・していたようだ。
その時私の隣に座っていた人が,いつどこの駅で降りたのか,まったく
記憶にないのだから。


  子供にイラついていた。その子は靴を履いたまま窓の方を向いて
  座り,足をバタバタさせていて,時々私の脇の下に触るのだった。
  その度に,私は少しづつ向きを変えたり,組んでいた手で足を払った
  りを繰り返していた。



空席ばかりのこの車両で,いつの間にかヤツは,私の隣にピッタッと
張り付くように座り,ナント私の脇の下から手を入れようと何度も試
みていたのだった。

そう,私が何度も払っていたのは,子供の足ではなく,”ヤツの手”だった。
        つづく





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最終更新日  2010/07/08 04:01:36 PM
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