実は私のバッハ好きは、映画の中で見たロストロポーヴィッチのバッハの無伴奏チェロ組曲の第五番のプレリュードのサワリの部分から始まったのだ。確か16~17歳のころのことだったと思う。五木寛之原作の「協奏曲」と言う映画だった。国際指名手配犯の元過激派の中年男と商社マンかなにかの妻となったそのテロリストの元恋人がフランスで再会して云々、、。屈折した中年男女の愛憎を描いた暗い映画だったと思う。
映画はともかく、私はわずか10秒ほどの彼のチェロ演奏を聴いて衝撃を覚えた!次の日に小遣い銭をかき集めて、レコード屋に行って手に入れたのが1960年録音のバッハの無伴奏チェロ組曲の2番と5番のLPレコードだった。何回聴いたか、、たった一本のチェロでこんなにも壮大な音楽が演奏できるなんて、聴けば聴くほど信じられないような演奏だった。今思えば、スラブ的ロシア的なその演奏は、現在のバッハ演奏の解釈からすれば、本道とは言いがたいのだが、、、そんなことは別にして物凄い演奏であることは間違いないと思う。
彼は晩年にバッハ無伴奏の全曲演奏も残している。
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