
大きなボールに荒挽き肉を3種類。右手前が、エゾ鹿、左が富士幻豚、そしてシャラン産窒息鴨のモモ肉を各1キロずつに塩と黒胡椒とナツメグにカソナード(フランス産のブラウンシュガー)
私の場合、卵や粉などのつなぎは一切使わない、肉自体の結着力だけで固めるので、練り込むときに肉の温度が2~3℃なのが理想。これを体重をかけて手で練り込むと、冷たさで手がしびれて痛くなるほどなのだが、その温度で肉を捏ねないと滑らかにつながらないのだ。これは、ハンバーグや肉団子や餃子やシュウマイなどのを作る時も同じで、「挽肉は冷たくして練る」というのが、大事なポイント!

真ん中に少しフォアグラを入れて、テリーヌに仕立てる。程よい火の通し加減だとこのように美味しそうな赤身の色に仕上がる。火を通し過ぎると、くすんだ色になるし、食感もぼそぼそして美味しくない。何もつなぎを入れないテリーヌの火の通し加減ほど難しいものはないといってもいいくらいで、実に微妙な焼き加減なんです。
湯煎にかけてオーブンで蒸し焼きにするのだが、オーブンは160~170℃くらいの低温。さらに湯煎の温度が上がりすぎないように途中で何度か氷を入れたりするんです。冷やしてんだか焼いてんだか、、、という微妙な火の通し方なんです。
エゾ鹿、シャラン鴨、富士幻豚にフォアグラですから、このテリーヌ、美味い!!スープを作る時も、四足系と鶏系を混ぜると良い出汁が出ますが、強烈な赤身の美味さを持つ鹿、長期飼育で旨味が濃い富士幻豚、鴨の最高級品のシャランにフォアグラの風味と旨味ですからね、、、不味いわけがないですけどね、、。
本日のテリーヌで、黒板メニューにのってます。

天然の釣り物活け〆の平目。これは腹側。

背側は、黒いです。平目は、市場で陳列している時は必ず腹側の白いほうを上にして置いてあります。なぜかというと、天然の平目の腹側は必ず真っ白なんです。つまり、普段は砂に潜って、背中の保護色を利用して待ち伏せ型の狩りをする魚ですから、いつも砂に触れている腹側は陽に当たらないので、白いんですね。養殖平目は、生け簀で泳いで暮らしてますから、腹側も陽に当たるので、一部黒くなってしまいます。だから、市場では、真っ白な腹側を見せて並べて、「これは天然ものですよ」という意味を込めて置いてあるんです。これはプロの常識。
釣りあげたら、首の付け根と尾の付け根の背骨に包丁を入れて血抜きをして活け〆にします。こうすると、白身魚は身が締まって綺麗で鮮度良く肉が保てます。その活け〆にした庖丁の切れ込みを見せるためにも、腹側を見せて陳列するんですね。
釣り物の天然活け〆の平目は最高級魚のひとつです。刺身、混布〆、蒸し物、椀だね、焼き物、揚げ物(平目の天婦羅は美味いですよ!)、煮物などなんにしても美味しい魚です。
結構歩留まりの良い魚で、例えば鯛やスズキみたいな魚は、卸して正身(刺身で出せる部分)だけにすると、1キロの鯛なら300g取れればよいほうなんですが、平目1キロからは正身で500g以上取れます。だから、同じキロ単価、例えばキロ¥3000で平目と真鯛が並んでいたら、正身にすると真鯛はキロ¥9000近く、平目はキロ¥6000弱という事で、平目のほうがお得なんです。
まあ、それにしても高いのでめったに使えませんが、市場にお任せで頼んでおくと、たまに安くし出してくれることがあって、こうして使えるときもあるわけです。しかしこれを焼いて魚料理にしてしまうんですから、サンク・オ・ピエの魚料理、美味いわけですよね!
あまり濃い味付けにはしたくないので、バルサミコと極上のオリーヴオイルのソースで召し上がっていただきます。今日からオンメニューですが、今日は昼夜とも予約でいっぱいです。このブログ見て、食べたい!と思った方は来週どうぞ。ここまで鮮度が良いと、上手に管理すれば、1週間は刺身で使えるくらいですからね。それに2~3日寝かせたほうが味が乗って美味しくなります。寒の平目は脂が乗っていて美味いですよ!
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