幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

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Jul 30, 2012
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カテゴリ: シェフの雑記帳

Cinq au pied.Menu Aout et Septembre 2012
サンク・オ・ピエ8月9月のコース

2名様より承ります

¥5600

Consomme glacée au tomate
冷製トマトのコンソメ

Proscuitto di PARMA « Pio Tosini » avec legumes d'été
パルマ、ランギラーノ村、ピオ・トジーニ社の生ハム
夏野菜色々を添えて

Foie gras chaud avec oignon caramelisée
フォアグラのソテー、新玉ねぎのカラメリゼを添えて

Filet de canette aux olives verts
à la façon de « Allard »
雌鴨のフィレ肉のポワレ、グリーンオリーヴ風味
パリの老舗ビストロ"アラール"風

Cake aux amandes et abricots
Sorbet de pêche de France
Blancmanger aux sésame blanc
アプリコット入りアーモンドケーキ
フランス産桃のソルベ
白ゴマのブランマンジェ

Cafe de SAKAMOTO pour Cinq au pied
ou the  2pains
さかもとこーひー、サンク・オ・ピエ8月9月のコースのためのブレンドとのマリアージュ
又は紅茶
2種のパン

 

 まずは、いきなり冷たいコンソメでスタートです。

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 これはイメージ画像ですが、まあだいたいこんな感じです。ときめき鶏のコンソメをベースに自家菜園のトマトをたっぷり加えて作ります。コンソメは、卵白で完全に澄ましてしまうので、味わいはトマトジュースか?と思うほどトマトを感じさせながら、食感は滑らかなユルユルのゼリーコンソメです。暑い時期ですから、これで一気にクールダウンと食欲増進ですね!

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 前菜は生ハム。もちろんパルマの最高級、老舗のピオ・トジーニです!何度も書いてきましたが、ここの生ハムはパルマでも聖地と言われたランギラーノ村にあり、もっとも山側に位置しています。この会社のユニークなところは、多くの生ハム会社が冷蔵庫やエアコンを使うのが当たり前の時代に、未だに窓の開閉だけで温度湿度を調整しているところです。このことにより創業以来100年余りの間に蔵についた乳酸菌が活発に生きていて、その乳酸菌が作り出す弱酸性の環境が生ハムを雑菌から守るとともに、乳酸発酵による独特の旨味を醸し出すわけです。それというのも、アペニン山脈からの冷たい山風の吹き下ろしがあるからなんですね。

 まあ、理屈はともかく、、、本当に美味しい生ハムです!これに比べれば、冷蔵庫やエアコンを使った生ハムはただの干し肉みたいなもんです。乳酸菌の風味がそのくらい違うんですよ!付け合わせには、今シーズン新たに思いついたプチトマトのマリネ(これがまた美味い!)やラタトゥイユやピクルスなど自家菜園の野菜色々を添えます。これで、スペインはアンダルシアの銘酒シェリーのマンサリーニャを合わせれば、もう止まらないくらい美味いですよ!

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 続いてフォアグラのソテーの付け合わせに自家菜園の新玉ねぎのカラメリゼを添えます。これがまた毎年常連さんにも評判で、甘味がたまりませんよ!焼いただけの玉ねぎがまるで蜂蜜でも使ったのか?と思うほど甘いんです。これはもう素材の力。買ってきた玉ねぎでは出来ない味です。料理には、技術でカバーできる部分と技術ではどうにもならない面がありますね。素材の持ち味を最高に引き出すのは職人の技術ですが、レベルの低い食材にいくら技術を駆使しても限界があります。これはその良い例です。本当にただ焼くだけですからね。

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 鴨のオリーヴ風味です。これはパリで50年以上も続くビストロ「アラール」の看板料理です。裁判所や大手新聞社などがそばにあって、弁護士や新聞記者などの知的職業の常連も多く、また古くは映画関係者などもよく通っていたそうで、若いころのアラン・ドロンがよく来ていたという話もききました。もともとはブルゴーニュ出身の夫婦が始めたお店で、料理上手な奥さんがシェフで旦那さんが表を担当という形で二代続いた後、今は別の経営者になったようでシェフも男性に、、、、ただお店の売りは変わらず、ブルゴーニュの地方料理をベースとしたクラシックで上質なフレンチに火入れや味付けはモダンの要素を取り入れていて、今でも人気が高いお店とききます。

 この料理、アラールで食べると2人前で1羽来ます!「デカイ!」1キロ以上ありますからね!日本人なら4人前ですね、、。

 今回使う鴨は、雌の若鴨。しかもシャラン産の窒息鴨を作っている同じ作り手のもので、バルバリー鴨という一般的な品種なんですが、これが柔らかいしくせが無いし実に美味い鴨です。アラールでは、鴨1羽につき軽くオリーヴを200粒くらい添えている感じですが、まあ、その辺は日本人サイズで行きます。今回使うのは、雌の若鴨なので肉も小さめですし、脂も少なめでさっぱり系です。夏向きですね!

 アラールでは、オリーヴをフォン・ド・ヴォー(仔牛のだし汁)で良く煮込んでトマトコンサントレ(トマトペースト)を加えたものを添えるんですが、私の場合はフォン・ド・ヴォーを鶏のジュ(鶏の焼き汁)に変えて、より軽くより香ばしく仕上げます。 

 デザートは、

Cake aux amandes et abricots
Sorbet de pêche de France
Blancmanger aux sésame blanc
アプリコット入りアーモンドケーキ
フランス産桃のソルベ
白ゴマのブランマンジェ

 結構、まっとうな感じでしょ?旬のアンズや桃でしょ?それから、ゴマのブランマンジェも夏っぽい感じです。いつものようにさかもとこーひーの坂本さんにコラボこーひーをお願いしてあります。きっとまた絶妙なブレンドを作って下さるでしょう。

ご予約は、ホームページからどうぞ。






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Last updated  Jul 31, 2012 05:02:46 AM


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madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
ゆり777 @ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
おかめ@ Re:食べる姿(10/31) なるほど!私も無粋な行為をしていた一人…
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