
昨日フェースブックにのせたら結構反応があったので、ブログでも書いてみます。これは、トゥルネtourneというマッシュルームの飾り切りです。トルネード(竜巻)的な意味ですね。昔は、マッシュルームを魚料理特に白ワイン蒸し系の魚料理、例えばクラシックの代名詞のソール・ボンファムSole bonne femmeなんかには、これをのせないと格好がつかないという時代がありました。ソール・ボンファムは、おろした舌平目の身をエシャロットのスライスとマッシュルームのスライスとパセリのみじん切りの上において白ワインを注いで蒸し煮にします。火が通ったら舌平目を取り出して保温しておきます。煮汁にフュメ・ド・ポワソンを加えて煮詰め、ソース・ブルーテ(白いルーでつないだ魚のだし汁がベースのクリーム系ソース)を加えてさらに煮詰めて、ソース・オランデーズでリエ(つなぐ)して仕上げます。オランデーズは、卵黄と澄ましバターで作ったマヨネーズ状の濃厚なソースです。舌平目を皿に盛り付け、ソースをかけて周りにマッシュポテトを絞ってサラマンダーでグラッセします。この場合のグラッセとは、強火で焼き色を付けてつやのある黄金色にすることを指します。まあ、バターもクリームもたっぷり入って卵黄も入って、、、高カロリー極まりない料理ですが、とてもリッチで美味しいことは美味しいですね。ブルゴーニュのコルトンシャルルマーニュやモンラッシュ系やムルソーなんか飲んだらもう最高ですね!そういうワインを飲むためのような料理です。若いころは得意でよく作りました。
19世紀末から20世紀半ばにかけての料理書をあさると、、、魚料理のベースになるフュメ・ド・ポワソンFume de poissonsという魚のだし汁を作るのにも、また魚料理によくつかわれる白ワインソースsauce vin blancにも、そのレシピの材料表にマッシュルームのくずというのが出てきます。つまり昔はマッシュルームは必ずと言っていいほどトゥルネに切ったので、いつも切りくずがいっぱいあったわけなんですね。
今はすっかりすたれてしまった技術ですが、もちろん知りたいという人はマッシュルームを持ってくればいつでもやって見せますよ!
PR
Keyword Search
Calendar
Comments