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2009.07.12
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カテゴリ: 音楽
先日、BSでリサイタルをみかけて、感銘をうけた山本貴志という20代半ばのピアニストのリサイタルに奈良の大和高田まで行ってきました。

天王寺からJRで約40分。
それほど、時間的には遠くないのですが、
大和路線(昔の関西本線)から、和歌山線という橋本まで行く線に乗り換えると、すっかり、周りは田舎の風景です。


世界的な実力を持つ若手
とはいえ、
そんな場所で開かれるコンサート。

しかも、
TVにほとんど出てない、、というだけで、

 (これは、クラシックに限らず、、、)


曲目は、晦渋とまでは言いませんが、
客に媚びたところの無いもの、、、
でもあり、
また、
たとえば、梅田・京阪神間からいえば遠く離れた場所で、
日曜なのに、午後5時半から開かれるコンサート、、、
ということで、
チケットの売り上げは芳しくないようで、
236席の小ホールの客席は6分の入りくらいでしょうか。



やはり、人間ですから、落胆するほどに、客が少ないと、

少々心配でした。


TVで聴いた、山本さんは、
とても、響きを大切にしているようで、
また、
アゴーギク(緩急)も自在に使いこなしていながら、

そんな印象の人でした。
果たして、
実演はどうでしょう、、、


満席ではないワリに、ずっとザワついた感じの客席。
値段がそれほど高くなく、
また、ピアノを習っているお子さんと、習わせているお母さん(なぜかお父さんは少ない)の組み合わせが多いせいもあるのでしょうか。


1曲目は、モーツァルトの幻想曲 ニ短調 K.397
繊細な響きにより構成されつつ、感情の悲喜が、まだ寒い春の日にふと日差しをうけ、また翳り、、、といった感じの、メロディと響き、調性の移ろいなどが、この世のものとは思えないほど美しい曲です。 もちろん、「そのように」演奏されたときに限るのですが。。。。


入場してきて、一礼してイスに座ったあと、手をハンカチでぬぐい、精神統一の時間。
客席は、プログラム(1枚ものなのに)をペラペラ折ったり、サイフやカバンのチャックを開け閉めしたり、一部では、ヒソヒソとしゃべったり、、、、
なかなか、静かになりません。
静まるのを(ある程度)待って、手を鍵盤に下ろすと、
冒頭の分散和音が、とてもひそやかに、しかし、しっかりとしたバランスで鳴り始めます。
まだ、客席は咳払いやらが、ペラペラ、、が聞こえる中ですが、、、

そして、まず短調の澄み切った、繊細にコントロールされた、ひそやかな歌が語りかけてきます。 とても音がきれい。
ある音(鍵盤?)の音だけが、ビリつくのだけが残念でした。
何か、共振しているようです。調律かメカニックの不具合なようでした。
しかし、本人は、少なくとも、表情はそれによって左右されません。
全神経と研ぎ澄まして、微妙な力の入れ具合、速度もコントロールし、
とてつもないプレッシャーの中で音を生み出しているであろうに、
そのさなかの、ヒドい咳払いの時も含めて、
すくなくとも、顔や音楽には、外から判るような影響は受けておられませんでした。

考えれば、プロ、それも一流のプロである以上、
常に、客席が水を打ったようで、調律や楽器も完璧、、という場合ばかりとは限らない
でしょう。
この20代半ばの青年は、やや気詰まり程度の客の入りしかない、
しかも、
ざわついたままに、地方の小ホールでの本番でも、
自らの表現を、悪条件に左右されずに安定して、もたらすための心身の訓練を、
相当に重ねてきたのでしょう。

この曲、全てが美しいのですが、とくに長調になって、春の歌を歌う場面の変化と
歌は、聞きながら、どこかへいざなわれてしまいそうな、そんな音楽です。
そんな「天上」をも思わせるような音楽は、
実演では、濁りやミスや表現上の不自然さなどから、なかなか味わうことは難しいものです。

ところが、今日、いきなり、冒頭で、そうした表現が実際に実演で行われたのでした。
本当に、澄み切った音色・響き、そよ風よりもひそやかにささやくピアニッシモ、
乾いた青空のような歯切れのよいフォリティッシモ、、、、
「この曲は、こうあってほしい」と漠然と思い、想像し、願っていたとおりの演奏でした!!

曲が終わった後の礼はとてもあっさりとしたもの。
下手袖に一旦、退いてから、再び戻ってくると2曲目です。
日本の現代曲で、
三善晃 が作曲した、 En vers
ありとあらゆる響きを駆使し、
また、超絶的な技巧を、テンポ・音型・音量の幅、、、の全てにわたって要求される曲。
途中、「爆発」と呼んでよいような箇所もあります。

この山本貴志という人、
「叙情派」みたいなイメージかと思ったら、超絶的に指がまわりまくる人です。
まさに、「なんの躊躇も無く」、高速のテンポも選び、
全ての音を克明に鳴らします。
なので、
初めて聴く現代音楽が、確信をもって、ぼくらの耳に届けられます。
聴く側としても、とても安心して、「この曲はこのような音なのだ」と信じて、
音楽に浸ることができます。
まさに、実演でしか味わえない、
ラヴェルの響きを、さらに現代の音楽へと昇華させたかのような、
独特の三善晃の世界を、
ピアノ1台、10本の指で、ありありと体験させてもらいました。

次の曲は、ショパンのノクターンの第2番
ノクターンの中でも、最も、有名で、「おけいこ」でも弾かれることも多い曲でしょう。

三善晃の超難曲の後、
一礼後、舞台に下がらず、すぐそのまま、ショパンが始まりました。
全身ももちろんでしょうが、とくに指や腕の筋力の消耗は、
三善晃の曲なんぞは、半端なものではないだろう、、と思うのですが、
「若さゆえ」なんでしょうか。
「やさ男」に見えて、強靭にして頑強で頑固、、、という面をお持ちなのかもしれません。

ノクターンは、そうした肉体の消耗は微塵も感じませんでした。
ただ、フォルティッシモの強力な打鍵や、高速の「真っ黒けの楽譜」というようなものでは無い曲ではあるので、ものすごく高度な次元では、この曲は、ある程度、若干のストレッチなのかもしれません。

なにか恣意的な「変形」を生じたりはしない、柔軟で確かなショパン。
しかし、たとえば、メトロノームで測ったかのような、機械的な拍節感のある演奏ではありません。
常時、テンポ、、拍は変化していきます。
といっても、不自然であったり、思いつきであったり、、、という変化ではありません。

ちょうど、時間のアーチが投げかけられ、そのアーチがやがて霧とともに薄れ行こうとするうち、新たなアーチが投げかけられて、、、
そのアーチたちが、また、大きなループを描く波に、きれいな影を落としていく、、、
そんな感じの「変化」でした。なので、1拍目と3拍目は当然に異なる存在ですし、
1つの拍の中でも、「時間」は、単なる均質・等速ではありません。

「物理的な計測は不可能だが、全体が見事な統一感によって支配されている柔軟さ」
といったものが、
彼の音楽の中にはあるようで、このショパンもそうした演奏でした。

テンポやバランスのとり方は、なので、慣用的なものとは異なる設定がされているところも多かったように思いますが、
それが、また、ショパン本人が感じたこと、表現したかったことに沿ったものとして、
自然に、こちらのこころにとどいてくる、、、そんな演奏でした。
もちろん、山本貴志さん自身が、自ら、明確に「こういう音楽にしたい」「ここはああ弾きたい」
というイメージを具体的に意識し、その表現のために、とてつもない我慢・節制・研鑽を重ねてきたのだろうということが、聴いてみて本当に伝わってくるものでした。

チェリビダッケが、ピアニストだったら、特徴において似た演奏をするかも、、、
とも少し思いました。
山本氏は、誇張や再評価を志向しているのではなく、
「感じたまま」を音にしているであることは相違しますし、
「エキセントリックさ」を競うものではないのですが、

「響きへの集中とこだわり」、「明確なイメージ(部分・全体)」においての
共通性という意味で、、、





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Last updated  2009.07.23 01:34:17
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