金澤 割烹 こいさ

2006/12/30
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画像 006.jpg
石川県 金沢港で^^ ★

旬
ここ20年ほどの間に日本中に行き渡ったこの海老は海老好きの日本人が見つけた深海の珍味。最近は冷凍・輸送技術の発達で年中食べられる様になったが殻をむいて生のままつるりと食べる甘海老の美味しさが増すのは冬である。


命名
正式な名前は北国赤海老(ホッコクアカエビ)であるが、通称 甘海老、赤海老、南蛮海老と呼ばれている。 エビは全種類甘いが、特にこのエビは 甘いことからの命名であろう。エビは熱を加えると腰が曲がった様になる ので、腰が曲がった老人の様子から「海老」という字が当てられた。
 英名 Pink shrimp,Deep-water shrimp,Northern shrimp

十脚目タラバエビ科タラバエビ属ホッコクアカエビ
このエビはクルマエビ類とは別のコエビ類に属している。タラバエビ科はその名の通り寒海系の種で棲息深度も深い。比較的大型種が多いこと、多産すること、肉質がよいことなど クルマエビ類についで商業的価値が高いエビである。

タラバエビ科タラバエビ属の仲間

富山湾 水深300m前後で多く獲れる

・ホッカイエビ
岩手県沿岸から北海道沿岸 水深1~6mに棲息、体長13cm、緑褐色で体側に数本の黄色ないし白の縦縞がある。北海道の野付湾(打瀬網漁)、サロマ湖・能取湖(籠網漁)

・ボタンエビ
水深 500m

・モロトゲアカエビ属には体側の美しい縦縞をもつモロトゲアカエビが水深300mの東北地方太平洋側で漁獲される。

浜坂漁港(兵庫県)に揚がるエビのうち、地元の人達に引っ張りだこなのが、エビジャコ科のクロザコエビ(通称 モサエビ)で水深250~300mに棲息する。300mを越えるとトゲクロザコエビが棲息する。水揚げ後も しばらく元気で鮮度も保ち易い。生・焼き・煮 いずれも美味。味がイセエビに似ている。

分布
北太平洋、北大西洋に広く分布する環北極種であって、各地で多量に漁獲され、ベーリング海およびアラスカ湾のエビ類漁獲量の80~90%はこの種である。日本海の海底には日本海盆とよばれる巨大な盆地が広がり、所々に丘や 山が点在する水深200~500mに甘エビも棲息する。

外形
エビ類とはいえ中型の大きさで、体長12cmほど。額角の長さは頭胸甲長の約1.5倍で上縁に12~16本、下縁に6~9本先端に1本の棘(トゲ)がある。 前の脚は胸脚(10本)と呼ばれ、歩くため、後は遊泳するための腹脚で産卵した卵を抱卵するまでこの腹部でかかえている。


甘海老はふだん水深500m前後の所でよく獲れるが、冬になると200m前後の浅い所に上がってきて約10ヶ月近くも脚部に抱えていた卵を(産卵期は3~5月で翌年の1~3月に体長5mm程の全てオスばかりの幼生が孵化)放つために浅場に移動してくる。この時期が甘海老の旬でもある。抱卵数は800~4200粒、一年で体長4cm程になり、2~3年でオスとして成熟する。

性転換
大部分は5年で交尾し、5年半頃から生殖腺の雄性部分の退化が始まり、代って 雌性部分が成熟する。体長6cm程で満6年まで雌として初回の産卵を行い翌年に幼生を放つ。 日本海の個体群は初回の幼生放出後、満8年で再度産卵を行い、結局一生に2~4回、一年おきに産卵するが、太平洋群では毎年産卵する。オホーツク海の北見大和堆(ヤマトタイ)では隔年産卵群と毎年産卵群が混在するという。

漁法と漁獲
底引き網漁が中心、現在日本人の年間消費量は約25千トン。我国の生産量は5千トン足らずで、世界中の甘海老を日本人がほとんど食べている。昭和40年頃までは、地元で冬の一時期にお目にかかる程のローカルな海老にすぎなかったが、冷凍や輸送技術の発達で全国的に知名度が上がり、ほとんど北欧産からの輸入となっている。


エビやカニの血管系は動脈だけの開放型をとっている。血液の赤いのは呼吸色素に鉄がついたヘモクロビンのため。エビ・カニは
呼吸色素に銅がついたヘモシアニンという 無色透明の血液なので、切っても血液が出ないのではなく見えないだけである。

黒変現象
ヘモシアニンの中にチロシナーゼという酵素が存在していて、長く空気に触れる(酸化)とメラニンが生成されて黒色となる。エビの頭胸甲にはエラがあり、エラには多量血液があるため、酸化によって頭の部分が黒くなる。そのエビの鮮度判定のバロメーターとなる。
 海老動く 瑠璃(ルリ)の生身を くらひけり/野見山朱鳥

甘海老の赤
車海老などは加熱すると、殻の中のタンパク質と結合していたアスタキサンチンはタンパク質と遊離し、酸化してアスタシンに変わることで赤色となる。甘海老はアスタキサンチンが空気に触れて酸化し、赤変したから赤いのである。

甘いわけ
甘味の主体はアミノ酸でタウリン、プロリン、グリシン、アラニン、アルギニンが多い。その中でとくにグリシンが多いので甘味が強く感じる。またやわらかい肉質(水分80.9%)に主成分であるタンパク質がとけこんでとろみが出る。これがうまさ、甘さを引き立ててくれる。

加熱すると味が落ちる
水分(80.9%)が多いので 加熱すると水分が減って身がバサバサになってしまう。また、水分といっしょに旨味成分も出ていってしまうから味も落ちてしまう。

食べ方
性転換した頃(5年後)体長15cm、重さ10g程が最も美味しい。

・刺身
頭を取り、胴部のじゃばら状の甲は尾を入れると7つあり、5番目までの殻をむいて食べる。 頭にはミソがあり、口で軽くすすって中のミソも堪能しては。但し鮮度の良いものにかぎる。

・塩焼き・空揚げ
頭を塩焼きや空揚げにすると、香ばしい味となる。また刺身に出来ない小ぶりの甘海老はもっぱら空揚げにする。梅肉和え・ムキ身にした甘海老5尾を梅干し半個分の梅肉に和えて、その上にエメラルド色の卵を添える。 卵のプチプチした食感と梅肉のすっぱさ、これに甘海老の甘味が加わった珍味。

・甘海老の炊き込みご飯
子持ちの甘海老を使い、炊き上げるとご飯がほんのりとピンク色なり、卵は熱が加わることによって香ばしくなる。山菜を混ぜると一段と風味が増す。





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Last updated  2007/01/02 06:02:44 AM
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