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ボックスアート
「ブラス」「ロンドン」など、かなりの数のワレスゲーを担当してるPeter Dennisによる美麗なアートワーク。「世界史」なんかもこの人だね。
箱の中身
見にくいけど駒類を収容する透明なプラトレイがある。
デザイナーは「我ら人民」が(日本では)結構高く評価されたPeer Sylvester。しかし「シンガポール」「ディスカバー・インディア」のデザイナーでもあるので要注意人物だw
このゲームは2007年に出た「シャムの王」のリメイクで、マップのつながり具合、各プレイヤーが最初に持つ駒に関するルール、選択ルールの有無の3点を除けば同じゲーム。当時は「シャムの王」もそれほど高く評価はされていなかったようだが、なぜかリメイクのこちらは評判がいい。多少はなじみのあるテーマや、アートワークの好みの差もあるだろうが、どんどん複雑化していく重ゲーの中でシンプルさが受けたのかな。
舞台はグレートブリテン島。時代はアーサー王とモルドレッドが相打ちになった直後。強力なリーダーがいなくなって内政が不安定になってるところにサクソン人が侵略してきそうになってるので、残されたアーサー王の宮廷メンバー(=プレイヤー)は、国内の3勢力(スコット人、ウェールズ人、ローマン・ブリテン人)をまとめて自らが指導者になろうとする。
グレートブリテン島は8地域に分かれており、それぞれに3勢力を表す駒が4個ずつ置かれる。各プレイヤーも駒を2個ずつ持ち、権力闘争が起こる順番をカードでランダムに決めたらゲーム開始。
セットアップ直後の状態。勢力シンボルがある3地域は各勢力の本拠地なので、対応する色の駒が最低2個は置かれる。ボード左右にあるのが権力闘争順を決める地域カード。この例では左上のスペース1のカードに対応するエボラクム(ローマ属州時代のブリタニアにあった城塞都市)が最初の焦点となる。
各プレイヤーはアクションカードを8枚持ち、手番ごとに1枚プレイしてアクションを実行するか、パスする。使ったカードは戻ってこない。つまりゲーム中にたったの8アクションしか実行できないw パスはいわゆるソフトパスで、全員が連続してパスしたら現在の権力闘争が終了し、指定されている地域に最も多くの駒がある勢力がその地域を支配したことになる(対応するトークンを置いて示す)。この時点でプレイヤーが得点を得たりはせず、あくまでも「1勢力が1地域を支配した」ことが確定するだけだ。
パスせずにカードをプレイしてアクションを実行した場合、そのあとでボード上の任意の地域から駒を1個取る。これはある勢力の人々を自分の宮廷に招いたことを表しており、その勢力に対して影響力を持ったことになる。ゲーム終了時、最も多くの地域を支配している勢力の駒を最も多く持っているプレイヤーが勝者となるので、最有力勢力の駒をたくさん取る必要があるが、そうするとその勢力が最有力となること自体が難しくなるという、実に分かりやすいジレンマがある。もうこんなの面白いに決まってるわなw
アクションカード。左上の「王冠」カードは権力闘争順を変更するというダイナミックなものだが、あとは駒を1個か2個追加したり移動させたり交換したりするものばかりで、派手さはない(駒1個差に泣くゲームではあるだろうけど)。また、すでに権力闘争が終わった地域には一切影響を与えられなくなるので、終盤は数少ない地域で頻繁に駒が移動するのかもしれない。
基本的にはこれだけなのだが、権力闘争で複数の勢力が同数最多になると事情が変わる。その地域は確固たる支配勢力がいないために外敵に対してもろくなり、サクソン人に支配されちゃうのだw そのような地域が4つになったとたん、ゲームは早期終了する。この場合、プレイヤーは支配者ではなくレジスタンスの頭となり、「各勢力の駒1個ずつからなるセット」を多く作ったプレイヤーが勝利する。このため、通常勝利を目指すなら1勢力の駒を数多く持つべきだが(もちろん、その上でその勢力を最大勢力にすべく努力しなければならない)、サクソン人に負けたときには全勢力の駒をまんべんなく持っていなければならない。駒の取り方が真逆になるので、どちらの条件でゲームが終了するかを見極める(そして望みの終了条件を満たすべくプレイする)必要があるだろう。
ルールは実質3ページくらい。公称プレイ時間は30-45分だが、実際そのくらいで終わりそうだ。「1プレイ数時間かかる重ゲー大好きだけど、隙間時間にプレイできるゲームも欲しい。でもだらーっとプレイするフィラーには興味がない」という贅沢なゲーマーにうってつけのゲームと言えるだろう。ただし、2人だとあまり面白くないらしく、4人だとペア戦になるので、事実上3人専用ゲーだ。その点はご注意を。
BGGの和訳ルール
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