《櫻井ジャーナル》

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2011.04.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
バラク・オバマ米大統領は13日、支出の削減と同時に、富裕層への課税強化を呼びかけた

 ロナルド・レーガン政権以降、アメリカでは「新自由主義経済」という信仰が幅を利かせ、富が一部の人間に集中する仕組みが築かれてきた。フランクリン・ルーズベルト政権から富の集中が緩和され、1950年代から80年代の半ばにかけての期間、所得上位1%の層が得ていた所得が全体に占める割合は10%を下回っていたようだが、それ以降、比率は急上昇している。

 本コラムではすでに紹介済みだが、 バニティー・フェア誌の5月号 にも、そうした実態を批判する論文が掲載されている。アメリカでは1%の人間が全年間収入の4分の1を手にし、富の約4割を支配しているのだという。そうした仕組みを維持するため、大企業/富裕層から政治家やメディア、あるいは学者へ多額の資金が流れている。実際の国家運営をコントロールし、情報操作/プロパガンダで庶民を操ってきたわけだ。

 言うまでもなく、オバマは決して庶民の代弁者ではない。庶民の利益を考える人間が政界で台頭することなど至難の業である。

 そこで、「だからオバマはダメだ」と言うことは容易いのだが、今のシステムではオバマでなくてもダメだ。選挙だけで問題を解決するためには、大企業/富裕層から資金を得る必要がなく、メディアからの攻撃を跳ね返せる力を持ち、庶民の利益を考える人間の出現を待つしかないのだが、そんな人間は存在しないわけで、選挙では「よりマシ」な人間を選ぶしかない。

 だから選挙は無駄だという意見もあるが、そういう人の中に選挙以外の手段で世の中を変えようと行動している人は皆無に近いだろう。体制を批判しているように装いながら、体制の中で無難に生きていきたいと考えているだけにしか見えない。いわば、「サラリーマン金太郎」への憧れ。

 それはともかく、アメリカで推進された新自由主義経済は破綻、社会から公正さや機会の平等という理念は消え去り、共同体の連帯感などはなくなってしまった。国外では平然と先制攻撃で気に入らない国へ侵攻、戦費負担は庶民に押しつけている。



 東日本地震と福島第1原発の事故に絡み、日本経団連の米倉弘昌会長は法人税率5%引き下げに言及した。「やめていただいて結構」という「欲ボケ発言」をしたのである。そもそも法人税率の引き下げが問題なのであり、あらゆる優遇措置を止め、法人税率を引き上げ、高額所得者への課税を強化しなければならない。日本の支配層は、原発事故の状況判断だけでなく、日本経済に関する状況判断もできていない。





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最終更新日  2011.04.14 15:05:13


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