《櫻井ジャーナル》

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2014.01.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 シリア政府の「残虐さ」を世界に発信、「西側」メディアの情報源になっていたダニー・デイエムという人物がいる。シリアの体制転覆を目指す勢力にとって都合の良い作り話を流していたわけだが、その正体がばれ、ホムスでの虐殺を政府軍に押しつけることに失敗した「西側」や湾岸産油国。次は政府軍が化学兵器の使用したという宣伝を開始、「西側」が直接、軍事侵攻する姿勢を見せる。

 昨年3月にシリア政府は化学兵器を反政府軍が使ったと発表すると、反政府軍も政府軍が実行した主張するのだが、これについて イスラエルのハーレツ紙は、攻撃されたのがシリア政府軍の検問所であり、死亡したのはシリア軍の兵士だということから反政府軍が使ったと推測 国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言 していた。

 8月になるとダマスカス郊外のゴータで政府軍が化学兵器を使ったとアメリカ政府は宣伝し始めるのだが、 ロシアのビタリー・チュルキン国連大使がアメリカ側の主張を否定する情報 を国連で示し、報告書も提出している。

 チュルキン大使が示した情報には、反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、毒ガス攻撃を受けたとされるゴータで着弾していることを示す文書や衛星写真が含まれていたようで、その後、国連内の雰囲気が大きく変化したという。

シーモア・ハーシュも化学兵器と反シリア政府軍を結びつけるレポート を書いている。反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるという趣旨の記事だ。

化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張は、ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないとする報告書 が公表された。報告書を書いたのは国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授。

 ミサイル発射から間もなくして、 化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事 がミントプレスに掲載されている。デイル・ガブラクとヤフヤ・アバブネの名前で書かれたもので、ガブラクはヨルダンを拠点としてAPに記事を書いているジャーナリストであり、アバブネはヨルダン人ジャーナリスト。

 後にガブラクは記事との関係を否定する声明を出すのだが、編集長のムナル・ムハウェシュはその声明を否定する。記事を28日に編集部へ持ち込んだのはガブラクであり、同僚のヤフヤ・アバブネがシリアへ入っているとしたうえで、反政府軍、その家族、ゴータの住民、医師をアバブネが取材した結果、サウジアラビアが反政府軍に化学兵器を提供し、それを反政府軍の戦闘員が誤って爆発させたと説明したという。

 編集長によると、 この情報をカブラク自身も同僚やヨルダン政府の高官に尋ね、サウジアラビアが化学兵器を反政府軍へ渡していることを確認したとカブラクは話していた ようだ。一連の遣り取りを裏付ける電子メールが残っているともしている。その後、カブラクからの再反論はないようだ。

 昨年10月に入ると「ロシア外交筋」からの情報として、 ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ秘密工作チーム だという話が流れた。アフガニスタンの反政府軍支配地域で「第三国」がアル・ヌスラなどシリアの反政府軍に対し、化学兵器の使い方を訓練しているとする報告があるとロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は語る。

 しかもロシアは艦隊を地中海に派遣してNATOの艦隊と対峙する。攻撃が予想されていた日に「西側」はミサイルを発射するのだが、海中へ落下してしまう。イスラエルの「発射実験」だという発表があったが、ジャミングで落とされた可能性が高いと見られている。

 ともかく、「西側」が直接、シリアへ軍事侵攻することが難しくなった。そこで「和平交渉」が始まるのだが、そこを舞台にしてアサド体制を倒して傀儡政権を樹立しようとしている。「レバノン特別法廷(STL)」の動きもリンクしているだろう。「西側」や湾岸産油国はシリア人を排除してシリアの将来を決めようとしているのだが、思惑通りに進むとは言えない。





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最終更新日  2014.01.22 13:51:29


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