《櫻井ジャーナル》

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2014.01.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 新しくNHKの会長に就任した 籾井勝人の記者会見

 記者から「慰安婦は戦争していた国すべてにいた、というふうに取れるが」と言われ、新会長は「韓国だけにあったことだとお思いですか。」と聞き返し、「戦争地域ってことですよ。どこでもあったと思いますね、僕は。」「行って調べてごらんなさいよ。あったはずですよ。あったんですよ、現実的に。ないという証拠もないでしょう。」少し後で、再び「僕は、なかったという証拠はどこにあったのか聞きたいですよ。」と繰り返している。

 まず石原某のように自分の発言に関する調査の責任を相手に押しつけ、「あったはず」という推測から「あった」という断定に変わり、「ないという証拠もないでしょう」と一気にトーンダウンする。口から出任せ。何か違反なり犯罪なりの容疑で捕まった人物が別の人物を指し、「あいつが悪いことをしていない証拠を出せ」と居直っているようだ。

 「ドイツにありませんでしたか、フランスにありませんでしたか?そんなことないでしょう。ヨーロッパはどこだってあったでしょう。じゃあ、オランダに今ごろまでまだ飾り窓があるんですか?」

 質問を回避するため、逆に質問するのはよくある手法だが、余計なことを口にした。オランダの「飾り窓」を引き合いに出したのだが、これは「従軍慰安婦」まったく別の話。その差も理解できていないことを自ら、あからさまにしてしまった。

 記者の質問には関係なく、籾井会長の口からは「韓国」という言葉が出てくる。

 「今韓国がやっていることで一番不満なのは、・・・韓国が、日本だけが強制連行をしたみたいなことを言っているから、話がややこしいですよ。お金寄越せと言っているわけですよ、補償しろと言っているわけですよ。しかしそういうことは全て、日韓条約で国際的には解決しているわけですよ。それをなぜそれを蒸し返されるんですか。おかしいでしょう。そう思いますよ、僕は。」

 新会長は「従軍慰安婦」も「強制連行」も否定していない。日本だけがやっていたのではないから責任はないと言っているわけだ。挙げ句の果てに韓国を恐喝犯であるかのように扱った。



 「当時の世界の状況としては、軍はそういう制度を持っていたのも、厳然たる事実です。にもかかわらず、欧米が日本だけを、だってそれは朝鮮戦争だって、ベトナム戦争だって、そういう制度があったんですから、第2次世界大戦後。」

 「あれだけ銃弾の雨、銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で、命かけてそこを走っていくときにね、それはそんな猛者集団といいますか、精神的にも高ぶっている集団はやっぱりどこかでね、まあ休息じゃないけれどもそういうことをさせてあげようと思ったら慰安婦制度っていうものは必要なのはこれは誰だってわかるわけです。」

 「ただそこで、日本国がね、欧米社会でどういう風に見られているかっていうと、これはやっぱり韓国とかいろんな所のいろんな宣伝の効果があって『レイプ国家だ』っていうふうにみられてしまっているところ、ここが一番問題だから、そこはやっぱり違うんだったら違うと。証拠が出てくればね、認めなきゃいけないけれども、今のところ2007年の閣議決定ではそういう証拠がないという状況になっています。」

 2007年3月1日、安倍晋三首相は従軍慰安婦について「強制性があったことを証明する証言や、それを裏付ける証拠はなかった」と語り、大きな問題になったのだが、橋本市長は気にしていなかったようだ。その橋本発言の結果を籾井NHK会長は気にしていない。

 戦争の末期から戦後にかけて旧日本軍/自衛隊は自分たちに都合の悪い文書は焼却してきた。証拠の隠滅。その上で「証拠がない」と主張するのは見苦しい限りだ。

 「従軍慰安婦」は朝鮮を主体とする東アジアの女性が大半だったが、オランダ人女性も含まれていたと報告されている。当時、新聞記者として取材していた「むのたけじ」も書いているが、その多くは甘言を弄して集められた、つまり誘拐されたわけである。(むのたけじ著『戦争絶滅へ、人間復活へ』岩波新書)

 そうした女性たちは軍隊と一緒に動いていたが、その際に船で移動させられていることだけでも軍の介入は明確。そうした移動には軍の了解が絶対に必要で、軍が作戦のひとつとして行ったと考えねばならない。(前掲書)

 ところで、籾井が会長に選ばれたのは国際経験が評価されたからだというが、この会見を見る限り、国際感覚は恐ろしく鈍感。この程度の人間が経営幹部になれる三井物産や日本ユニシスもお粗末な会社なのだろう、と思われても仕方がない。





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最終更新日  2014.01.27 10:31:12


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