《櫻井ジャーナル》

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2014.04.15
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行は4月15日、自分たちの政権を拒否している勢力を武力制圧する方針を明らかにした。ネオ・ナチを中心に編成された「親衛隊」の部隊が反キエフ派を鎮圧するために東部や南部へ向かったと国家安全保障国防会議のアンドレイ・パルビー議長が発表、戦闘機も動員されているようだ。

 国家安全保障国防会議とは国防省や軍を統括する機関。暫定政権でこの機関の議長に就任したパルビーは1991年、オレフ・チャフニボクと「ウクライナ社会ナショナル党」を創設した人物。この政党はネオ・ナチで、2004年に党名を「スボボダ(自由)」へ変更している。

 クーデターの舞台になった「独立広場」で指揮官を務めていたのがパルビーであり、アレクサンドル・ヤキメンコ前SBU(ウクライナの治安機関)長官によると、狙撃の第1発目が発射されたビルはパルビーに制圧されていた建物。広場への出入りもパルビーが管理し、彼の許可なしに武器を広場へ持ち込むことも不可能だったようだ。パルビーはアメリカの特殊部隊と接触していたとも言われている。

 ヤキメンコが長官だったときにSBU第1副長官を務めていたのがバレンティン・ナリバイチェンコ。クーデターの直後、2月24日からSBUの長官に就任したが、ヤキメンコによると、新長官は部下の個人ファイルをCIAに渡していたという。ナリバイチェンコは2001年から03年にかけてワシントンに駐在しているが、そのときからCIAのスパイになったともヤキメンコは主張している。現在、SBUはCIAの下部機関化していると伝えられているが、その準備はナリバイチェンコが進めていたのだろう。

 しつこいようだが、2月25日にキエフ入りして調査したエストニアのウルマス・パエト外相はEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)に対し、電話で次のように報告している:

「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」「新連合はもはや信用できない。」

 これに対し、アシュトンは「議会を機能させなければならない」と応じた。アメリカ政府も暫定政権を正当化することしか考えず、大統領選もクーデターの「禊ぎ」と考え、公正なものにする意思はないだろう。そのためには選択肢がない状況にしておく必要があるわけだが、大統領選への出馬を表明している人物もいる。そのひとり、オレグ・ツァレフが4月14日、テレビ局を出たところで襲われている。( 映像1 映像2



 先週末、「ヨーロッパ歴訪」の一環としてジョン・ブレナンCIA長官がキエフを訪問したとホワイト・ハウスの広報担当官、ジェイ・カーニーは認めた。ブレナンは外交官として偽名を使って入国、暫定政権の主要人物と会談したという。東部や南部で広がっている反キエフ派を鎮圧する作戦も協議した可能性が高い。

 キエフの暫定政権は成立の過程を考えても治安機関との関係が悪く、軍の内部にも反発している将兵が少なくないと見られている。盗聴された音声が漏れるのは、情報機関の内部に反キエフ派が存在していることを示している。その音声について「西側」のメディアは触れたがらないようだが、その理由は言うまでもないだろう。

 また、州政府の建物などに立てこもっている人びとを排除する作戦を拒否した特殊部隊アルファの現地指揮官もいると伝えられた。そこで「親衛隊」を派遣、おそらくアメリカの傭兵会社から雇った戦闘員が合流する可能性がある。 セルゲイ・ラブロフ露外相によると、約150名の傭兵がウクライナのソコル(特殊機動警察)の制服を着て活動している ようだ。

 キエフのクーデター政権を支援してきた「西側」のメディアも、 この政権が人びとから支持されていない ことを認めざるをえない状況。ロシアがアメリカの挑発に乗って攻撃してくれば打つ手もあるのだが、自重しているので次の手が打てない。つまり「国境なき巨大資本」やネオコンの願うような展開になっていないということだ。ネオコン、そしてアメリカ政府は追い詰められている。「窮鼠猫を噛む」という諺もあるが、アメリカは挑発をエスカレートさせ、ロシアと戦争を始めかねないと懸念する声も出ている。





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最終更新日  2014.04.16 02:20:47


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