《櫻井ジャーナル》

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2014.05.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ウクライナの南、黒海に面したオデッサで住民がネオ・ナチの集団に襲われ、虐殺された。報道によると40名弱が殺されたと言われているが、反クーデター派は100名以上が殺されたと主張、300名という数字も流れている。多くは労働組合会館で殺された。

 当初、犠牲者は焼き殺されたと思われていたのだが、死者の一部は火が出る前に射殺されるなど別の原因で殺され、遺体が動かされていることが 焼け跡の調査 で判明した。レイプされている疑いのある遺体も発見され、放火は証拠隠滅が目的だった可能性もある。屋上へ通じるドアがロックされ、逃げられないようになっていた疑いもある。

 インターネット上で流れている映像を見ると、少なくとも一部の警官隊は襲撃を助けているように見える。事件後、反クーデター派の住民67名が逮捕されていることも警察に疑いの目を向けさせる。消防車が到着するまでに20分を要しているという証言があり、これが事実ならば不自然だ。

 住民逮捕に怒った1000人以上の人びとが警察署を封鎖して抗議、拘束されて住民は解放されたものの、クーデター政権は警察署長を交代させる。早速、新署長のイワン・カテリンチュクは釈放の決定を見直すと語っている。

 キエフはさらに「国家警備隊」を送り込むという。軍や治安当局を信頼しきれないクーデター政権がネオ・ナチを中心に編成した暴力装置で、ナチスの親衛隊に近い存在。6万人程度の隊員がいるようだ。つまり、私服のネオ・ナチに住民を虐殺させ、制服のネオ・ナチが街を制圧するというわけである。右派セクターは新たに約800人の準軍事組織「ドンバス」を創設するともいう。

 似たような仕組みでアメリカはラテン・アメリカを支配してきた。第2次世界大戦後、ラテン・アメリカでは民主化が進む。フランクリン・ルーズベルト大統領が反ファシスト、反植民地を掲げていた影響もある。そのルーズベルトは1945年4月、ドイツが降伏する前月に急死してしまうが、独立の気運は消えなかった。

 ラテン・アメリカの場合、アメリカという国の植民地ではなく、ウォール街の巨大資本に支配されていた。その利権を守り、収奪システムを維持するため、CIAは手先を使って軍事クーデターを起こし、独裁体制を築かせてきた。ラテン・アメリカはアメリカの支配層がナチスの幹部を逃がした先だが、軍事クーデターにはナチス残党も協力していた。

 クーデター後、民主化勢力(アメリカの支配層がいうインチキ民主化勢力ではない)など邪魔な存在を抹殺するため、独裁政権は「死の部隊」を編成しているが、その実態はアメリカの訓練を受けた警官や軍人だった。現在、ウクライナでも同じ構図が出来上がりつつある。

アメリカ政府はCIAやFBIの専門家数十名を送り込んでいるとドイツのビルト紙日曜版は伝えている 。アメリカの軍人を戦闘に参加させると問題が生じるために使われるのが 傭兵会社の「民間特殊部隊」 。ウクライナでも掃討作戦に参加している可能性が高い。

 反クーデター派が立ち上がった。軍や治安機関から離脱した人びと、退役軍人が中心になって抵抗しているようだが、そうした反乱を鎮圧するため、 東部や南部へキエフの暫定政権は戦車など武器/兵器を大量に送り込んでいる 。これに対し、ロシア軍は目立った動きを見せていないが、ここに来て コサックが反クーデター派に合流 しているようだ。

 ウクライナのネオ・ナチはOUNのステファン・バンデラ派を源流とし、今でも公然と肖像を掲げているのだが、ナチスも意識している。そのナチスを率いていたアドルフ・ヒトラーが自殺したとされているのが1945年4月30日、ドイツが降伏文書に調印したのは5月8日である。この日付はロシアにとってもネオ・ナチにとっても重要な意味を持っている。





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最終更新日  2014.05.07 04:51:48


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