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2016.03.14
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 トルコの アンカラで3月13日に大きな爆発

 しかし、インターネットの発達した今、情報をコントロールすることは難しく、国内でも反発が強まっていた。それを押さえ込むためにエルドアンは独裁色を強めているが、そうした中での爆破事件だ。事件の詳細は不明だが、2月24日にイスタンブールの警察が市内中心部での爆弾テロに対する警戒を強化するように呼びかける文書を出し、 3月11日にはアメリカ大使館が「テロリスト」の攻撃をアメリカ国民に警告 、アンカラのバフチェリエブレリ地区を避けるようにとしていた。この地区には政府が乗っ取ったザマン紙の本社もある。

 民心が離反した国の政府は力尽くで人びとを押さえつけようとする。治安体制の強化だが、それを正当化するために爆破事件など何らかの「テロ」を実行することがある。例えば、コミュニストの力が強かったイタリアでは1960年代から80年代にかけて「極左」を装った爆破事件が繰り返されている。

 いわゆる「緊張戦略」で、実行したのはグラディオ。イタリアにおける「NATOの秘密部隊」の名称で、イタリアの情報機関と緊密な関係にあった。その背後にいたのがアメリカの情報機関(ジェドバラ人脈)だ。

 第2次世界大戦が終わった直後からアメリカではソ連を先制核攻撃しようという計画が練られ、1957年には300発の核爆弾をソ連の100年に落とす「ドロップショット作戦」を始動させている。テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授(経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイスの息子)によると、1963年の後半にはソ連を先制核攻撃する予定になっていたという。その頃になれば、先制攻撃に必要なICBMを準備できると信じていたようだ。

 こうした計画の裏では、CIAのアレン・ダレスや軍のライマン・レムニッツァーやカーティス・ルメイが蠢いていた。レムニッツァーは1955年から57年にかけて琉球民政長官を務め、60年には統合参謀本部議長に就任しているが、61年に大統領となったジョン・F・ケネディとは対立、議長の再任は拒否された。

 キューバ政府を装ってアメリカで「テロ」を実行、それを口実にしてキューバへアメリカ軍が侵攻しようという「ノースウッズ作戦」をアメリカの好戦派は計画していたが、これをケネディ大統領は承認せず、1962年にレムニッツァーをヨーロッパへ追放、アメリカ欧州軍司令官に据える。1963年に彼はNATOヨーロッパ連合軍最高司令官に就任した。



 そのワイアットによると、ケネディが暗殺される前、彼はダラス行き旅客機の中でハーベイと遭遇している。ワイアットの家族によると、生前、彼はハーベイがケネディ大統領の暗殺に関係していたと強く疑っていた。(David Talbot, “The Devil’s Chessboard,” HarperCollins, 2015)

 トルコもNATO加盟国であり、秘密部隊が存在する。「灰色の狼」だ。昨年11月24日にトルコ軍のF-16がロシア軍のSu-24を撃墜、脱出した乗組員のひとりが殺害されているが、その実行者は「灰色の狼」のメンバーだった。1981年5月13日にサンピエトロ広場でローマ教皇ヨハネ・パウロ2世を銃撃したモハメト・アリ・アジャも「灰色の狼」に所属していた。

 1970年代からグラディオの存在は指摘されていたが、1990年にはジュリオ・アンドレオッティ内閣がその存在を公的に確認している。その後、ギリシア、ドイツ、オランダ、ルクセンブルグ、ノルウェー、トルコ、スペインでも「NATOの秘密部隊」の存在が確認されたが、こうした国々に限らず、全てのNATO加盟国に存在している。( Daniele Ganser, “NATO’s Secret Armies”, Frank Cass, 2005)





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最終更新日  2016.03.14 06:27:39


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