《櫻井ジャーナル》

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2018.04.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 暗殺の1年前、つまり1967年4月4日にキング牧師はニューヨークのリバーサイド教会でベトナム戦争に反対すると宣言している。ベトナム戦争に沈黙することは背信行為だと主張、弱い立場の人々、発言力のない人々、アメリカの犠牲になっている人々のために声を上げなければならないとも語っていた。

 こうしたことができないならば、必然的にアメリカ国内でも同じことが引き起こされる。実際、社会的な弱者は使い捨てにされ、支配層にとって都合の悪い発言をする人は排除される仕組みがアメリカでは作られてきた。権力システムに歯向かい、危険だと判断されれば収入の道を絶たれ、社会的な地位は望めなくなる。日本もその後を追っている。

 危険人物を探し出すために監視システムは整備されてきた。街中にはCCTVが設置され、ICカードやGPS(全地球測位システム)つきの携帯電話の普及は個人の移動を把握するために利用可能。家電製品のコンピュータ化も監視にとって好都合だ。フェイスブックのようなSNS(ソーシャル・ネット・サービス)も個人情報の収集に使われている。

 個人の学歴、銀行口座の内容、ATMの利用記録、投薬記録、運転免許証のデータ、航空券の購入記録、住宅ローンの支払い内容、電子メールに関する記録、インターネットでアクセスしたサイトに関する記録、クレジット・カードのデータといった個人データの収集と分析を目的とするシステムも1970年代から開発されてきた。日本の場合、個人情報を集約するために住基ネットが使われるのだろう。

 ACLU(アメリカ市民自由連合)によると、アメリカではスーパー・コンピュータを使い、膨大な量のデータを分析、「潜在的テロリスト」を見つけ出そういう研究開発も進んでいる。どのような傾向の本を買い、借りるのか、どのようなタイプの音楽を聞くのか、どのような絵画を好むのか、どのようなドラマを見るのか、あるいは交友関係はどうなっているのかなどを調べ、分析しようというのだ。こうした情報が集まれば、国民ひとりひとりの思想、性格、趣味などを推測でき、危険だと判断されれば監視対象になる。

 アメリカでは情報機関の秘密工作や多国籍企業の問題が1970年代の半ばに問題化したが、それ以降、支配層は言論統制の仕組みを強化した。情報機関の内部告発を防ぐ方策を講じ、有力メディアから気骨ある記者や編集者を排除していったのだ。そうした工作を容易にする意味もあり、巨大資本がメディアを所有しやすいようにルールを変えている。

 勿論、それ以前の有力メディアも情報機関の支配を受けていた。その一端は1975年1月に設置されたフランク・チャーチ上院議員を委員長とする上院特別委員会で明らかにされている。下院でも同年2月にルシアン・ネッツィ議員(後にオーティス・パイクへ変更)を委員長とする情報特別委員会を設置、同じように調査を始めた。

 リチャード・ニクソン大統領を辞職に追い込んだウォーターゲート事件の報道で中心的な役割を果たしたとされている記者はワシントン・ポスト紙のカール・バーンスタインとボブ・ウッドワード。このうちウッドワードは海軍の情報将校で、報道の世界では素人に近かった。取材の大半はバーンシュタインが担当したと言われている。

 ワシントン・ポスト紙に不正を暴かれたニクソンは1969年からアメリカ大統領を務めていた。1946年に下院議員となってから赤狩りの闘士として活動、53年にはドワイト・アイゼンハワー政権で副大統領になった人物で、「タカ派」と見なされていた。

 ニクソンは1972年の大統領選挙で再選されるが、このときに民主党の候補者に選ばれたのは一般党員の支持を受けたジョージ・マクガバン。戦争に反対する意思を明確にしていた人物で、民主党の幹部にとってはショックだったようだ。

 そこで、民主党の内部で一部の議員は造反している。その中心的な存在はヘンリー・ジャクソン上院議員で、反マクガバン派のグループを結成する。それがCDM(民主党多数派連合)だ。

 ジャクソン議員の事務所はシオニストのリチャード・パイプスを顧問として抱えていたが、それだけでなく後にネオコンの中心グループを形成するリチャード・パール、ポール・ウォルフォウィッツ、エリオット・エイブラムス、ダグラス・フェイス、エイブラム・シュルスキーなどが教育のために送り込まれていた。(つづく)






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最終更新日  2018.04.05 17:02:34


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