シリアの ドゥーマで化学兵器が使われた痕跡はないとOAN(アメリカのケーブル・テレビ局)の記者が現地から報告 RTは西側の有力メディアが化学兵器の被害者だとして報道した子どもとその父親を取材 、やはり化学兵器が使用されたという話を否定している。
こうした報告が伝えられた直後の4月17日、ドゥーマでは国連の治安チームが正体不明の武装グループから銃撃された模様で、OPCWのチームの調査は延期されたようだ。OPCWがシリア入りしたタイミングでシリアをミサイル攻撃して批判されたアメリカ、イギリス、フランスはこの銃撃戦の責任をシリア政府に押しつけている。調査を遅らせる、できたら中止させるため、米英仏が残置部隊を使ったと考えるのが自然だろう。(実際に銃撃戦があったのかどうかは明確でない。)
シリア政府軍やジャーナリストの調査で化学兵器の使用が否定されているが、西側の政府や有力メディアはあくまでもシリア政府軍が化学兵器を使ったとする話を流し続けている。その情報源はアル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にあることが判明している「白いヘルメット」とアル・カイダ系武装集団のジャイシュ・アル・イスラム。こうした主張を裏付ける証拠は示されていない。こうした主張をする政府や有力メディアはカネがあり、ヒトもいるのに現地を調べようともしていない。調べたくないので怪しげなNGOを使うのだろう。こうした仕組みを作っておけば、最後は「騙された」で逃げることができる・・・とでも思っているのだろうか?
イラクを先制攻撃、破壊と殺戮を繰り広げる前にアメリカやイギリスは大量破壊兵器があると宣伝していたが、これは後に嘘だということは明らかになっている。この時と手口は同じだ。2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された直後、ジョージ・W・ブッシュ政権は詳しい調査をせずに「アル・カイダ」が実行したと断定したが、この時も証拠は示さなかった。アメリカ支配層の話を無条件に信じろというわけだ。こうしたアメリカ支配層の主張を「信じる」意味は本ブログで以前、書いたことがある。