シリアで軍事的な緊張が高まっている。南部ではイスラエルとアメリカが占領を続けるためにジハード傭兵を支援、ユーフラテス川沿いの油田地帯デリゾールではアメリカが支配体制を強化しようと新たな軍事基地を建設、シリア政府軍を攻撃するためにジハード傭兵を南側へ運んでいる。イラクとの国境近くのアル・ハリではシリア政府軍に対する空爆があり、数十名が死亡した。アメリカ軍はこの攻撃を自分たちによる者でないと否定、イスラエル軍によるものだと主張している。アメリカはシリア南部でもイスラエルと連携、ユーフラテス川沿いでイスラエル軍がアメリカ軍に代わって軍事作戦を展開しても不思議ではない。
アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランスといった侵略勢力は一貫してバシャール・アル・アサド政権の打倒を目指し、外交的な解決は眼中にない。完膚なきまでたたきのめされない限り、シリアから軍隊を引き揚げないだろう。さらなる侵略のため、また偽旗作戦を実行する可能性は小さくない。
すでにアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍はシリア国内20カ所に軍事基地を建設したと言われているが、それに対して住民が抗議活動を始めたと伝えられている。アメリカ軍によるミサイル攻撃によってロシア軍が導入した防空システムが機能することをシリア国民は目の当たりにし、「勝てる」という感触をえたのかもしれない。