アメリカ大統領の息子、 ハンター・バイデンは脱税とFARA(外国代理人登録法)違反の容疑で調査の対象 になっている。その中でカザフスタンの利権、中国のエネルギー企業、そしてウクライナのエネルギー会社「ブリスマ」も調べられているという。
ニューヨーク・ポスト紙が2020年10月に掲載した記事によると、 ウクライナの天然ガス会社ブリスマ・ホールディングス(本社はキプロス)や中国のエネルギー会社CEFCを相手にバイデン家がいかに稼いでいるかを示す電子メールが存在 する。その内容をツイッターとフェースブックが検閲でブロックしたことでも話題になった。
ウクライナでは2014年2月、バラク・オバマ政権がネオ・ナチを使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。このクーデターから2カ月後、ハンターはブリスマの重役に就任している。
そのブリスマを2002年に設立したひとりであるミコラ・ズロシェフスキーは2010年からエコロジー資源大臣を務めていた。その彼をウクライナの検察当局はマネー・ロンダリング、脱税、汚職の容疑で2012年に捜査を始めている。その年にズロシェフスキーは大臣を辞めた。
捜査が進めば起訴される可能性があったが、2014年にクーデターでヤヌコビッチ政権は倒されて状況は変化。その年の終わりにズロシェフスキーは国外へ逃げるが、資産はイギリスの当局に凍結された。その凍結が解除されたのは2016年。その翌年に帰国している。
ウクライナではビクトル・ショーキン検事総長の下でブリスマを捜査していた。その対象にはズロシェフスキー、ハンター、ウクライナの大統領だったペトロ・ポロシェンコ、ポーランド大統領だったアレクサンデル・クファシニェフスキーが含まれていたと言われている。そうした中、ショーキンは解任された。
検事総長の解任をアメリカ大使館は2015年終わりから16年初めにかけての数カ月にわたって求めてきたとウクライナ側は説明している。その工作の黒幕はオバマやジョージ・ソロスが関係しているNABU(ウクライナ反汚職局)だという。
ウクライナの捜査で、ハンター・バイデンを含むブルスマの重役4名は少なくとも1650万ドルを会社から受け取ったことが判明する。ブリスマは2014年11月から15年11月までの間にロズモント・セネカ・ボハイへ350万ドルを支払ったともいうが、それだけではない。ジョー・バイデンへロビー活動の報酬としてロズモント・セネカ・ボハイ経由で90万ドルが支払われたというのだ。
ロズモント・セネカ・ボハイと同じ投資ファンドを構成するロズモント・セネカ・パートナーズはハンター・バイデン、クリストファー・ハインツ、デボン・アーチャーが2009年に創設した会社だが、ウクライナにおける生物化学兵器の研究開発の問題で注目されている。
ハインツはジョン・ケリー元国務長官の義理の息子で、アーチャーはエール大学でハインツのクラスメート。バイデンとアーチャーは2014年にブリスマの重役に就任するが、その時、このふたりとビジネス上の関係をハインツは絶ったという。
ロシア軍は2月24日からウクライナに対する攻撃を始めた。航空基地や生物兵器研究開発施設がターゲットになったが、そうした攻撃と並行して重要な文書や証拠を回収し、分析する作業を続けている。
親衛隊が3月に予定していたドンバス(ドネツクやルガンスク)への攻撃計画に関する文書のほか、生物化学兵器の研究開発に関する資料を回収、公表しつつある。アメリカ政府の証拠なき主張を垂れ流す西側の有力メディアはロシア政府が公表する証拠を無視しているが、それほど内容が強烈だということでもある。
アメリカの上院外交委員会では3月8日、ビクトリア・ヌランド国務次官が宣誓の上で証言している。その中でマルコ・ルビオ議員はウクライナにおける生物化学兵器について質問、ヌランドは アメリカの研究施設には兵器になるほど危険な病原体の資料やサンプルが存在 、それがロシア側へ渡ることを懸念すると話している。
アメリカの政府や有力メディアはそうした研究の存在自体を否定していたが、ヌランドの証言はこうした主張を否定するもの。そもそも、ウクライナのアメリカ大使館はそうした研究施設が存在、アメリカの国防総省がスポンサーになっていることを以前から認めていた。
ヌランドが委員会で証言する前日、ロシア軍の核生物化学防護部隊を率いているイゴール・キリロフ中将はウクライナの研究施設で回収した文書から同国にはアメリカのDTRA(国防脅威削減局)にコントロールされた研究施設が30カ所あると発表している。
ロシア国防省によると、ウクライナの研究施設で鳥、コウモリ、爬虫類の病原体を扱う予定があり、ロシアやウクライナを含む地域を移動する鳥を利用して病原体を広める研究もしていたという。
新しい情報として、そうした研究所の少なくともひとつはハンター・バイデンとクリストファー・ハインツの ロズモント・セネカ・パートナーズから資金が提供されていた とロシア国防省は発表した。
ハンターらのファンドが緊密な関係にある「メタビオタ」は生物学的な脅威の評価したり管理することを仕事にしている会社で、ウイルス学者のネイサン・ウルフによって創設された。国防総省の仕事もしている。 2014年から「エコヘルス同盟」のパートナーになっている が、その背後にはUSAIDの(つまりCIAの)「PREDICTプロジェクト」がある。
エコヘルス同盟はアンソニー・ファウチが所長を務めるNIAID(国立アレルギー感染症研究所)から武漢病毒研究所へ資金を提供する仲介役を演じてきたことでも知られている。ウクライナにある研究所の生物化学兵器研究開発システムと武漢のシステムが似ていることから、ウクライナの研究所はCOVID-19にも関係しているという疑いが生じた。
ウルフはクラウス・シュワブが創設したWEF(世界経済フォーラム)の若手リーダーで、ギスレイン・マクスウェルと親しい。ギスレインの父親はミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェルで、彼女と親密な関係にあった人物はジェフリー・エプスタイン。
イツァク・シャミールがイスラエルの首相を務めていた当時の特別情報顧問、アリ・ベンメナシェによると、エプスタイン、ギスレイン、ロバートはイスラエル軍の情報機関(アマン)に所属していた。エプスタインやギスレインは隠し撮りした映像を利用して世界の有力者を恫喝していたと言われている。(Zev Shalev, “Blackmailing America,” Narativ, Septemner 26, 2019)